佐々木氏が謝罪「大変に申し訳ない」 なでしこ再始動も…選定の進捗「年内には何とか」
「なでしこイズム」の復活へ課題を明かす「18.5本は多すぎるという認識」
日本サッカー協会(JFA)は10月18日、なでしこジャパン(日本女子代表)が10月26日に韓国女子代表と戦う国際親善試合のメンバー発表会見を都内で行った。JFA女子委員長の佐々木則夫監督代行は「18.5本」という具体的な数値を用いてパリ五輪での課題を話し、「なでしこイズム」の復活を誓った。
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なでしこジャパンは今夏にパリ五輪の戦いを終えると池田太監督が退任。後任が未定となるなか、再始動の一戦は2011年ドイツ女子ワールドカップ(W杯)優勝に導いたJFA女子委員長の佐々木氏が監督代行として臨む。
大舞台を終えて次のサイクルが始まるタイミングで初招集選手が4人、20歳以下のメンバーが8人の構成だが、2011年女子W杯優勝を知る34歳のDF熊谷紗希も招集された。佐々木監督代行は「若手、中堅、ベテランから揃えつつ、(昨年の)女子W杯やパリ五輪からの反省点や改善点、良い部分は続けてチームにアプローチして韓国戦を戦う。次のステップの指標になるゲームをして、次の監督にバトンを渡したい」と話す。
その反省点として佐々木監督代行は、パリ五輪において日本チームがボールを奪う前に相手がパスをつないだ平均本数が18.5本だったと明かした。これについて「リトリートも多かったが、意図的にボールを奪う回数が少なかったんだと思う。上位4チームは6本から8本が平均。18.5本は多すぎるという認識。僕の時には10本以内でというイメージがあった」と話した。
実際に日本が敗退した準々決勝の米国戦では、エマ・ヘイズ監督を招集してポゼッション方向に舵を切ったばかりの米国が決して質の高いパスワークを見せたわけではないにも関わらず、ブロックを組んだ状態で待ち構える場面が目立った。結果的に日本は延長戦の末に0-1で力尽きた。
佐々木監督代行は女子委員長としても、「なでしこジャパンの良さは、そんなにパワーのなく世界的にも小柄な選手である中でも、攻守に連携、連動すること。守備もコンパクトにして前から積極的に守り、ボールを保持して相手を揺さぶって、なるべくゴールの近くまで運んで射止める」として、「ベテラン選手がいる間にイズムを伝えてほしい。熱いうちに打てという感じですかね」と、その伝統の継承を韓国戦での準備期間から求める思いを口にした。
後任監督については「以前と同様なレベルで大変に申し訳ないが、まだ決定などには至っていない。面談もしているが、以前スタッフを発表した時と同じような状況。候補や、いい人材がいるな、とか。年内には何とか頑張ります」と、未定であることをあらためて表明。この韓国戦について「映像には残ると思うので、(後任候補には)それをしっかり見てもらえたらありがたい」と話すにとどめた。
男子の世代別代表でロールモデルコーチを務めた元日本代表DF内田篤人氏がコーチを務めることも話題になった佐々木監督代行の体制は、あくまでもこの1試合のもの。短期間ではあるものの、かつて世界の頂点に立ったなでしこの原点回帰の一戦として期待される。
(FOOTBALL ZONE編集部)