「J2でやりたいなんて言う選手はいない」 出場機会ない苦悩…帰ってきた救世主の覚悟【インタビュー】

ディサロ燦シルヴァーノは覚悟をもって山形に移籍をした【写真:(C)MONTEDIO YAMAGATA】
ディサロ燦シルヴァーノは覚悟をもって山形に移籍をした【写真:(C)MONTEDIO YAMAGATA】

山形FWディサロ燦シルヴァーノ、今年7月に移籍して目下4試合連続ゴール中

 モンテディオ山形のFWディサロ燦シルヴァーノは、今シーズン途中加入ながら4試合連続弾を含む6得点と出色の出来で、J1昇格プレーオフ進出を目指すチームの貴重な得点源となっている。“救世主”として山形に戻ってきたストライカーは、「最後にどうなっているのかが大事。そこにフォーカスしたい」ともう一度J1でプレーするという目標に向かって突き進んでいる。(取材・文=石川 遼/全2回の1回目)

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“レレ”の愛称で知られるディサロは、2019年に当時J3だったギラヴァンツ北九州でプロデビューを飾った。J2に昇格した2年目にリーグ戦35試合で18得点と一躍ブレイクし、21年にはJ1清水エスパルスへとステップアップを遂げた。

 しかし、22年にはなかなか出番が与えられなかったことから、山形へ期限付き移籍。ここで17試合8得点と改めて点取り屋としての能力を証明した。23年シーズンからはJ1湘南ベルマーレに移籍したが、ここでも思うように出場機会を得られず、今年7月に再び山形に活躍の場を求めた。

 シーズン途中加入ながらここまで10試合で6得点。目下4試合連続得点中(10月19日時点)のディサロは「僕の仕事はゴール決めること。移籍した時に『15試合で10点決めたい』と言いました。10試合で6点っていうペースなので、悪くはないかなと思います」と移籍後の自身のパフォーマンスを振り返る。

 一方、今季湘南での出番は公式戦4試合のみでゴールはなかった。「足りなかったのは出場機会。とにかく試合に出してもらえればもっとできたぞっていう感覚はあったので、それに尽きます」。悔しさを力に換え、山形で自身の価値を証明してみせた。

 将来に見据えるのはJ1の舞台へと返り咲くこと。ただそれだけだ。28歳のストライカーにとって、2年ぶりの復帰となる山形への移籍は覚悟を決めたうえでの決断だった。

「J2でやりたいなんて言う選手はいない。全員J1でやりたいし、日本代表になりたいし、チャンピオンズリーグ(CL)に出たいと思っている。僕自身、覚悟を持って決断しましたし、チームとしても覚悟を決めて完全移籍オファーをくれたはず。双方の覚悟のいる決断だったなと思います。僕が移籍した時には(土居)聖真くんが移籍してくることを知らなかったので、それはある意味でいいサプライズでした。でも、今までがどうとかは関係なく、最後にどうなっているかが大事。今はとにかく、そこにフォーカスしたいです」

 10月11日には入籍を発表するなどプライベートでも充実の時を過ごすディサロ。「もちろんいつもサポートしてもらっている奥さんのために頑張っていきますけど、入籍したから頑張るのではなく平常心を忘れずにやっていきたい」と、ラストスパートに向けて気持ちを引き締めていた。

[プロフィール]
ディサロ燦シルヴァーノ(ディサロ・あきら・シルヴァーノ)/1996年4月2日生まれ、東京都出身。法政大―北九州―清水―山形―清水―湘南―山形。J1通算34試合2得点、J2通算79試合35得点、J3通算26試合7得点。シュート技術と相手選手との駆け引きに優れたストライカー。イタリア人の父親が「インテリスタ」で、自身もイタリア1部インテルの熱烈ファン。

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