日本代表OB「また圧勝できちゃうかなって雰囲気あった」 引き分けでも意味があるワケ【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】日本代表の目標は「ワールドカップで上に行くこと」
日本代表は10月15日、北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第4節に臨み、オーストラリア代表とホームで1-1の引き分けに終わった。日本代表OBの栗原勇蔵氏は、「先制されるシチュエーションとかもなかったので、そういうのも経験できたって意味では、意味があったと捉えています」と解説した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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初戦の中国戦に7-0、第2節のバーレーン戦に5-0と好スタートを切った森保ジャパン。現地時間10月10日に行われた第3節では、2-0のスコアで初めて敵地でサウジアラビアを破った。3試合で計14-0。そんななかでの一戦に、栗原氏は「また圧勝できちゃうのかなっていう雰囲気はあったと思う」と指摘する。
日本は前半からポゼッション率70%を超えるなどゲームをコントロールしたが、ブロックを敷いた相手に跳ね返されて得点できず。すると後半13分、GK鈴木彩艶のフィードを奪われ、MFルイス・ミラーが右サイドからクロス。戻りながら対応したDF谷口彰悟がクリアしようとしたボールがゴールに吸い込まれた。
後半31分には、途中出場のMF中村敬斗が鋭いクロスで相手のオウンゴールを誘ったが、1-1のまま試合終了のホイッスル。栗原氏は「こういうちょっと余裕がありすぎる予選の中で、締め直すという意味では、すごい重要な試合だったのかなと思います。まだまだ圧倒し続けるわけではないというか」と言う。
「今まで圧勝しすぎていたので、とにかく攻めろ攻めろでしたけど、こういう展開になった時にどういう風に、今の時間帯だったら負けているからもちろん取りに行くけれど、追いついたらじゃあどうするかとか、逆転してもまだ攻めるのかとか、そういう再認識をするにはいい試合だったのかなとは思います」
日本代表の目標は「ワールドカップで上に行くこと」と栗原氏。「あまりにも余裕しゃくしゃくで予選を通過してしまったら、なんかできるって勘違いしてしまうところもあると思う」と指摘する。このオーストラリア戦の引き分けを意味のあるものにできるのかどうか。今後の森保ジャパン次第になりそうだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。