日本を阻んだ2mの壁「強豪相手だと苦しい」 嵌められた久保建英…代表OBが挙げる課題【見解】

右サイドから何度もゴールに迫った久保建英【写真:徳原隆元】
右サイドから何度もゴールに迫った久保建英【写真:徳原隆元】

【専門家の目|栗原勇蔵】久保が放り込んだクロスはことごとく跳ね返された

 日本代表は10月15日、北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第4節に臨み、オーストラリア代表とホームで1-1の引き分けに終わった。日本代表OBの栗原勇蔵氏は、「今日はうまく蓋されて縦に行かされていたパターンが多かったので、どうしてもクロスがメインになってしまった」と課題を指摘した。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 日本は前半から支配率70%を超えるなどゲームをコントロールしたが、ブロックを敷いた相手に跳ね返されて得点できず。MF久保建英は縦に突破を試みたが、放り込んだクロスは身長2メートルのDFハリー・スーターらにことごとく跳ね返された。栗原氏は久保を「かなり手こずってたなという感じ」と評した。

 182センチのFW上田綺世とス―ターは、身長差18センチ。栗原氏は「あれだけデカいと、クロスもなかなか触れない。2メートルがいると速いボールは通用しない」と攻撃の問題点に言及。「デカい選手あるあるの動きが鈍いとか、そういうのもなかったし、すごくいい選手でした」と相手の守備を絶賛した。

 イングランド2部のシェフィールド・ユナイテッドでプレーするスーターだが、世界の強豪国にはさらに肉弾戦を得意にするディフェンダーも多い。カットインを封じられたときの、攻撃の選択肢。「そこをどうするかというのをこれから練っていかないと、強豪相手だと苦しいのかなと思います」と指摘する。

 そんななか違いを生み出したのが、ともにスタッド・ランスに所属するMF伊東純也、MF中村敬斗のコンビ。後半17分に入った伊東を「縦に右足で行けるのがすごい強みで、それによって相手が5バックで守ったとしても幅を広げられる。そういうところが彼の武器。相手にしたらすごい嫌なプレー」と絶賛した。

 さらに後半25分に投入された中村が躍動。後半31分、鋭いクロスで相手のオウンゴールを誘った。「リーグでも調子いいですし、今日はこれだったら三笘に変わって出る価値もあるなと改めて思いました。そこはうまく、コンディションいい方を使えばいいと思います」。森保監督には嬉しい悩みになりそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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