三笘×中村コンビ「ほとんどやっていない」 “ドリブラー”相乗効果は…得点導く“隠れた動き”

左サイドで存在感を見せた三笘薫【写真:徳原隆元】
左サイドで存在感を見せた三笘薫【写真:徳原隆元】

三笘がシャドーに入り左ウイングに入った中村と共演

 日本代表は10月15日の北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア戦に1-1で引き分けた。ここまで開幕3連勝14得点無失点と完ぺきな成績を収めてきたが、W杯5大会連続出場中の強豪からは勝ち点3を挙げることはできなかった。

 この試合、3-4-2-1の左ウイングバックで先発し、終盤にシャドーに入った三笘は、「今までだと前半に得点が取れていたなかで、0-0で試合が進んで緊張感がありました。失点してからやっぱり空気としては難しいところもありましたけれど、点も取れて勝ち点1拾えたと思います。やっぱりうしろが堅いチーム、高さがあるチームに対して、単調なクロスだったり、効果的な崩しっていうのは少なかったと思うので、そこは課題だと思います」と悔しがった。

 そして「サイドで剥がしてクロスで(点が)取れれば問題ないですけど、それができなかったときにミドルシュートだったり、後ろからのクロスだったり、アーリークロスだったり。(オーストラリアの守備が)ハイラインのところもあったので、相手が前に出てきた時に裏を取る動きっていうのはもっと必要かなと思います」と、攻撃面で崩しきれなかったことと、どうすべきだったかを口にした。

 MF中村敬斗が後半25分に途中出場すると、三笘は左ウイングバックから左シャドーにポジションを移した。このフォーメーション変更について、三笘は「中村選手がシャドーをやってもいいと思いましたけど、僕も疲労もあったと思いますし、そこで彼が上下動してくれて本当にほとんど彼からのチャンスが多かったので、彼の勢いに乗った形でした」と同点につながるオウンゴールを誘発した中村に感謝しつつ、「けど、もっと自分がいい距離感でサイドで数的優位を作りながら攻めても良かったなと思いますし、チームとして揺さぶるのか、もっと時間を作ってサイドで攻撃していくのか、クロスでっていうところの共通認識がまだもう少し足りないと思うので、もう一度、話し合っていきたいなと思います」と、改善の余地があると続けた。

 前線で近い位置で組むことになった三笘と中村だが、練習でのコンビネーションを確認は「ほとんどやっていない」という。それでも、同点ゴールを演出した場面では、三笘が相手選手をブロックして中村のドリブルをサポートしていた。

 この場面について三笘は「やれることはブロックぐらいしかなかったので。特に何もしてないんですけど、少しは得点につながったと思えれば嬉しいですけど…。あそこでもう1人剥がしてくれるっていうのは本当に彼のクオリティーならではだと思います」と、再度中村の個の力を称えた。

 一方で自分のプレーについては、全く満足ができていないようだ。カットインからフィニッシュに持ち込んだシーンについて「あそこで当てているようじゃ、まだまだかなと思います」と言い、「結局、僕のところで結果に結びついてないので。もっともっと前半からやれることがあったかなと思います」と、厳しい言葉を並べた。

 それでも1-1に持ち込めたことについては、「相手に勝ち点3を与えなかったのは非常に大きいですし。次のアウェー2連戦で勝てれば、よりそれが大きなものになると思うので、ポジティブにチームは捉えています」と前を向いた。11月にアウェーの2連戦が待ち受ける日本。今回、不完全燃焼に終わった三笘は、この経験をそこで生かしてくれるはずだ。

(河合 拓 / Taku Kawai)

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