ドリブラー×ドリブラー実現、久保建英も「面白い」 森保監督が初の試み…その狙いとは?

三笘薫と中村敬斗が左サイドでコンビを組んだ【写真:徳原隆元 & Getty Images】
三笘薫と中村敬斗が左サイドでコンビを組んだ【写真:徳原隆元 & Getty Images】

後半31分に中村が個人の突破からオウンゴールを誘発

 日本代表は10月15日に埼玉スタジアムで2026年北中米共催ワールドカップ(W杯)のアジア最終予選、オーストラリア戦に臨み1-1で引き分けた。森保一監督はビハインドを跳ね返すためにMF中村敬斗と三笘薫を左サイドに併用。MF久保建英も「あれはあれですごい面白かった」と初の試みに驚きを隠さなかった。

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 森保一監督は前回のサウジアラビア戦からスタメンを2人変更。体調不良で前日練習を欠席した主将のMF遠藤航が登録メンバーを外れてMF田中碧を起用し、MF守田英正がキャプテンマークを巻いた。また、前線ではMF久保建英が起用され、MF南野拓実と2シャドーを組んだ。

 5バックで中央を固く守るオーストラリアに対し、日本はボールを持って押し込んだがゴールを割れず。逆に後半13分にはクロスに対してDF谷口彰悟が痛恨のクリアミス。右足に当てたボールがゴールに吸い込まれ、まさかのオウンゴールによる先制点を与えてしまった。

 森保監督は後半25分の交代で中村を左ウイングバック(WB)に投入し、三笘をインサイド(シャドー)にシフトした。その理由について「前半からインテンシティーの高い戦いをしているなかでの疲労もあったと思うし、よりフレッシュで上下動のできてゴール前に入っていける敬斗をアウトサイドに置き、薫はインサイドだけでなく受ける場所がアウトサイドになってもより攻撃に重きを置いて突破や周りを生かすところが生きると思った」と、試合後の記者会見で説明した。

 そして、後半31分に左サイドを中村が突破したところから中央にクロスを入れると相手のオウンゴールを誘発。これが同点ゴールとなり、その後も日本は攻撃を続けたものの勝ち越しゴールは奪えずに終わった。それでも、中村は随所に相手を突破する技術の高さとキレを見せ、日本の攻撃を活性化させた。

 このタイミングで交代となった久保は、左サイドの組み合わせについて「今日は多分中村選手が普段、三笘選手がしてるようなプレーをしたと思いますし、それで多分三笘選手が、彼が普段シャドーだったらこういうプレーをしてほしいだろうなっていうのをやってたからっていうのがあると思う」として、「たまにはドリブラーとドリブラーを一緒に組ませてみるのも面白いのかなと思いました。今日初めましてだと思いますけど、2人一緒にプレーするのは。あれはあれですごい面白かったかなと思います」と話した。

 これで日本は3勝1分の勝ち点10となり、4連勝こそならなかったがC組の首位をキープしている。まずは6チームのうち上位2チームが本戦への出場権を得るリーグ戦としては良い状況にあるが、今後も1点がどうしても欲しいタイミングが訪れることは想定される。その点では、このオーストラリア戦での左サイドは新たなオプションになる可能性を秘めている。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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