アジアを圧倒する「60」 豪州と“立場逆転”…J外国人監督が日本サッカーの長期計画を称賛
FC東京のクラモフスキー監督の言葉から紐解く
日本代表は10月15日に北中米ワールドカップ(W杯)最終予選でオーストラリア代表と対戦する。開幕3連勝でグループC1位の日本と、前節初勝利を挙げて2位に浮上したオーストラリアの一戦は、今後の予選を占ううえで非常に重要な試合となる。そんな注目の試合を英紙「ガーディアン」も注目。J1のFC東京を率いるピーター・クラモフスキー監督のコメントから、日本サッカーが飛躍したカギを探っている。
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2009年6月に行われた南アフリカW杯アジア最終予選で、日本が1-2でオーストラリアに敗れると、スタジアムには「Nippon: Forever in our Shadow(日本は永遠に私たちの影だ)」という横断幕が掲げられた。この前にも、2006年のドイツW杯でオーストラリアは日本に3-1の逆転勝利を収めており、オーストラリアにとって日本は見下すような相手だった。
しかし、それから10年以上の時が流れ、今や立場は逆転している。「ガーディアン」紙は特集のタイトルを「日が昇り、影が移る。どのように日本サッカーがオーストラリアを影に移したか」とし、現在の最終予選で3連勝中の日本について報じた。
現在はイングランド1部トッテナムを率いるアンジェ・ポステコグルー監督のもと、長くにわたってアシスタントを務めていたクラモフスキー監督は、「彼ら(日本)には60のプロクラブがあり、選手が最高のパフォーマンスを発揮するために最大限の力を割き、資金や設備が揃っている。何よりも彼らはその計画を忠実に守っている。それはJFA(日本サッカー協会)の功績であり、それが日本がアジアのほとんどの国よりもうまくできている理由だと思う」と、Jリーグの発展が大きな要因と語った。
1993年に開幕したJリーグは、3つのディビジョンがあり、各ディビジョンに20のプロクラブがある。一方、オーストラリアのAリーグは、13チームで行われており、2部リーグはない。60ものプロクラブがあることから、日本はアマチュアで活躍しているトップアスリート候補を幅広くサッカー界に引き入れることに成功し、才能を見逃す確率は減っている。
クラモフスキー監督は、将来的にオーストラリアも同じようになるべきだと語った。「私たちのAリーグを発展させるために、Jリーグから何かを得ることができるだろう。もし2部リーグをスタートさせることがあるならば、各州がどのように結びつき、昇格と降格が導入されるようになれば、リーグも強くなり、より多くの選手を輸出できるようになるだろう。そうなった時に私たちはW杯を優勝することを夢見ることができるだろう」と、自国のリーグの発展なしにはオーストラリアの強化は進まないという持論を口にした。
これまで通算6回のW杯出場を果たしているオーストラリアだが、2005年に開幕したAリーグが当時から発展できていないことが、現在の日本代表との力の差に出ていると、クラモフスキー監督は考えているようだ。
(FOOTBALL ZONE編集部)