三笘、伊東、堂安…なぜ攻撃的WBが機能? 強豪倒したW杯との決定的な“違い”

日本代表の谷口彰悟【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
日本代表の谷口彰悟【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

3バックを採用したカタールW杯

 日本代表は10月13日に埼玉県内でトレーニングを実施。15日に行われる2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選のオーストラリア戦を見据え、27人全員が参加して汗を流した。ここまで3試合を無失点で乗り切ってきている守備陣で中心的な存在を担うDF谷口彰悟は、現在のチームについて「アグレッシブな守り方ができていると思う」と話した。

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 森保一監督はこの最終予選に向け3バックシステムをメインに据えている。しかしながら、その両翼にはMF堂安律やMF三笘薫、あるいはMF伊東純也やMF中村敬斗といった攻撃的なウイング色の強い選手が据えられている。それは日本を相手に守備的な構えで臨むことの多いアジアを勝ち抜くうえでも力になり、ここまでの3試合で14得点という圧倒的なスコアを残している。一方で、そのような攻撃的な選手を増やしても失点ゼロをキープし、良い形で攻守にバランスを取ることに成功している。

 現地時間10日にサウジアラビアでのアウェーゲーム(2-0)を戦い、日本に移動してきて谷口は「日本で気持ちよくサッカーをして、気持ちを高めながら。埼玉スタジアムで試合ができるやりやすさもある」とリラックスした笑顔も見せた。次の対戦相手は、監督交代から2試合目となるオーストラリアだけに「配置も9月の2試合と違うし、システムも似ていてミラーゲームになるかもしれない」と、現段階での予想も話した。

 それだけに、日本の両翼が高い位置で攻撃的なプレーを多くできるかどうかはゲームの流れを左右するポイントになる。例えばサウジアラビア戦では、相手のスター選手でもあるMFサレム・アルドサリが堂安に対してドリブル突破を試みる場面が多くなった。一方で、「律がドリブルで駆け上がってアルドサリ選手が下がりながら守る場面もあり、そこは攻防だと思っている。もし律が突破されても横にスライドしてカバーしていく部分は丁寧にできていた。うしろがうしろを保証してあげることで前に行きやすくなるし、真ん中から僕が声を出してあげることを意識している」と話した。

 試合の状況次第で5バックになるのは、22年カタールW杯の本大会でドイツやスペインといった強豪と対戦する場合にも起こったことだった。ただし、谷口はその時期との違いとして「うしろにどっしり構えていたけど、今は攻撃的な守備をやっているところ。ブロックを組むことがあっても、そこから前に出してスライドすることができている。よりアグレッシブな守り方ができていると思う。自分たちがカタールW杯で感じたことや、精度を上げたいところの1つだったので、その意味では成長している。相手の強度が上がった中で違いを見せられれば」と話し、下がったところからでも再び前に出ていく守り方ができているという実感を言葉にしていた。

 攻撃的な両翼を生かしたいというのはチーム全員の共通認識。それだけに谷口は「場合によっては3バックだけでもピッチの横幅を守り切れるくらい、後ろが守備範囲を広くやりたい」と後方からチームを支える気構えを見せていた。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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