現況はベストでない…森保Jが目指す“世界レベル” 久保が指摘した問題点「後手に回ってしまう」
サウジアラビア戦の象徴的な場面であるシュートブロックについて言及
森保一監督率いる日本代表は10月13日、埼玉県内で15日にホームで行われる北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選第4戦オーストラリア戦に向けて練習を冒頭15分を公開した。MF久保建英(レアル・ソシエダ)は前線からの守備で日本が目指していくべき姿を指摘。アウェーのサウジアラビア戦(2-0)で見せた魂のシュートブロックについても久保らしい視点で問題点を述べた。
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異例の2日前に試合会場である埼玉スタジアム入りした森保ジャパン。公開された冒頭15分では、サイドで分かれフリーマン2人を置いた5対5などで汗を流した。サウジアラビア戦で後半42分からピッチに立った久保も明るい表情で生き生きとプレーした。
サウジアラビア戦でも目立ったのが今の森保ジャパンが臨む前線からの守備。ウイングバック、シャドーの選手など最終ラインまで戻って体を張り、強度の高い守備でチームを助けていた。MF堂安律は「前線の選手の守備意識っていうのは、それがないと本当の代表今入れないようになって。それを監督が示してくれている」と話していた。そのなかで、久保はどのように考えるのか。
「それこそ長い距離1人が戻ってとかいう個の力に頼った部分もありますけど、結局それって多分、うまく回らなかった結果、個人が頑張っている部分もあると思うので、理想はそれこそ僕がチームでやっているような前めの選手は(コースを)切ったりとか、誘導してという(形で)チームでボールを取るのがベストだと思いますし、そこに重きを置きすぎてしまうと、やっぱりもっと上のチームでやったときには、当然後手に回ってしまう」
慢心はない。現況がベストだと思っていない。久保が常に描き続けるのは日本代表がもう一段階上がるために必要なこと。「しっかりコース限定した、とかチームとしてやるというのはベストだと思いますけど、でも、そこで補えないところを今やっぱりみんながしっかり奪い切るだったり、できるところはやっている」としたうえで、サウジアラビア戦で象徴されるシーンについても指摘した。
サウジアラビア戦、前半28分、3バックに加えて、守田英正、遠藤航のボランチ2枚、三笘薫までもが下がって3度相手のシュートをブロックで跳ね返した。日本の魂の守備とも言える場面だったが、久保は「そこまでまだ振り返りできてないのであれですけど……」と前置きしたうえで、“らしい”注目をした。
「理想は多分そう(シュートブロックをする場面にまで持ち込ませない)ですよね。やっぱり日本代表がもっと強くなっていくには、そこまで持っていかせないっていうのが大前提になると思います。みんなが2、3人スベっているというところは、昔から多分僕の記憶の中では日本代表ってやっぱりみんなやっていたと思うし、歴代の代表選手も。でもやっぱりもう1個上にいきたいならそこ(シュートシーン)までも行かせないというのは大事になってくるのかなとは思います」
森保ジャパンが目指しているのはW杯の優勝。強豪を倒してこそだ。最終予選でも目の前の勝利とともに、さらなるレベルアップを追い求めなければいけない。常に目線が高い久保だからこその言葉。この視点がある限り、森保ジャパンが“後戻り”することはないだろう。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)