中東の笛は鳴り響かず! UAE戦でアジア最高のウズベク人主審が完璧なレフェリングを披露

ハリルジャパン最終予選初戦敗北のリベンジ成功の要因に

 UAEとの前回対戦では“誤審騒動”で遺恨が生まれたが、今対戦ではアジアのトップレフェリーによるフェアなジャッジが光った。日本代表は現地時間23日にロシア・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の敵地UAE戦で2-0の勝利を収めたが、ウズベキスタン人のラフシャン・イルマトフ主審にコントロールされたゲームは荒れることなく無事終わった。

 昨年9月1日にホーム・埼玉スタジアムにUAEを迎え撃った最終予選の初戦では、誤審が大きな騒動になった。日本が1-2とビハインドを背負った後半32分、FW浅野拓磨のシュートはゴールラインを越えた後に、GKハリド・エイサにかき出されたかに見えたが、ノーゴールと判定された。カタール人主審アル・ジャシム氏の判定に対し、日本だけでなく敵国UAEの現地メディアも「ミスジャッジ」と報じていた。

 バヒド・ハリルホジッチ監督は「今でもあのゲームを思い出すと熱が39度まで上がる」と根に持っていた。今回の敵地決戦に向けた記者会見で「同じことを繰り返さないためには何が必要なのか」という質問を報道陣から受けると、「まずは、不正当な審判の笛を吹かれることを避けたいですね。お分かりですか? そう期待しています」とレフェリングを牽制するほどだった。

 しかし、2010年南アフリカW杯で開幕戦と準決勝を担当し、14年のブラジルW杯でも準々決勝を担当するなど、名実ともにアジアでナンバーワンレフェリーのイルマトフ主審は完璧に試合を掌握した。物議を醸すような判定はなく、スムーズにゲームが流れた。激しいプレーこそあったものの、的確なポジショニングで反則かどうか見極め、イエローカードの提示にも迷いは見られず、巧みにコントロールされたゲームとなった。

 ハリル監督が試合前日に「明日の審判のことは信頼している」と語っていた百戦錬磨のイルマトフ氏の存在は、“中東の笛”に悩まされることも少なからずあったハリルジャパンの勝利の追い風となったのかもしれない。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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