日本代表DFは「アジアの枠を越えている」 “欠点なし”にOB絶賛「やられる気配はない」
【専門家の目|栗原勇蔵】左CBで出色の出来の町田浩樹は「今のところ穴がない」
日本代表は現地時間10月10日に行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第3節でサウジアラビアと敵地で対戦し、2-0の勝利を収めた。この試合でスタメンフル出場したDF町田浩樹は最終ラインで安定感抜群のプレーを披露。元日本代表DF栗原勇蔵氏は「アジアの枠を超えている」と成長を認めている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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C組の日本は9月から始まった最終予選で中国とバーレーンに連勝し、この10月シリーズはサウジアラビアとのアウェーゲームからスタート。サウジアラビア戦のアウェーは06年のアジアカップ予選、18年ロシアW杯と22年カタールW杯の最終予選で対戦し、いずれも0-1で敗戦している鬼門だった。
日本は前半14分、クロスをMF三笘薫が中央に折り返し、MF守田英正が頭でつないだボールにMF鎌田大地が走り込んで先制点を奪った。先制後はサウジアラビアにボールを持たれ耐える時間が続いたが、ディフェンス陣の決死のブロックやGK鈴木彩艶のセーブでピンチを凌いだ。
日本代表が3バックを採用し、左のCB(センターバック)で定位置を掴んでいる町田は敵のチャンスの芽を摘み、同サイドの三笘へボールをつなぐなど攻守において活躍したなか、栗原氏は「元々能力が高いのは分かっていた」と前置きしたうえで、「ポジション取りや身体の強さはアジアのレベルの枠を超えているような成長を感じられる。判断力もいいし、スピードで負けない。ヘディングももちろん強いので今のところ穴がないし、やられる気配はない」と絶賛している。
町田はDF板倉滉と谷口彰悟と3バックを形成。栗原氏はほかの2人も称賛しつつ、「3人の中で誰が一番いいプレーをしていたかと言うと、やっぱり町田に目が行くぐらいパフォーマンスは高いなと思う」と、急成長を遂げるディフェンダーを称えた。
最終ラインでは冨安健洋(アーセナル)や伊藤洋輝(バイエルン・ミュンヘン)が負傷離脱中。そのなかで町田が好調を維持し定位置を掴んでいる。アジア最終予選で無失点を継続する森保ジャパンにおいて、今後のさらなる活躍に期待が高まっている。
(FOOTBALL ZONE編集部)
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。