2戦19発の衝撃、日本クラブに現れた「百戦錬磨」 アジアで示した強さ「確率を高めて追求」

浦和がアウェー2連戦で19ゴールを叩き込んだ(写真は昨年のもの)【写真:徳原隆元】
浦和がアウェー2連戦で19ゴールを叩き込んだ(写真は昨年のもの)【写真:徳原隆元】

楠瀬監督が西シェフの効果に言及「こんなに太ってしまうキャンプは初めて」

 三菱重工浦和レッズレディース(浦和L)は、第1回大会となるAFC女子チャンピオンズリーグ(AWCL)に参戦するためベトナムに遠征している。すでに2連勝でグループリーグ突破を決め、最終戦を残すのみになったが、先日には17得点も話題になった。楠瀬直木監督は「この前の17点は全てペナルティーエリア内のシュート。それは目指しているもの」と話し、遠征に西芳照シェフが帯同していることの効果も話した。

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 この大会は昨シーズンにプレ大会が行われ、浦和はアジア女王に輝いた。そして、今回が正式な発足として第1回の大会となり、本戦には12チームが参加して4チームごとのグループリーグを実施。各組の2位以上と3位のうち上位2チームが準々決勝に進む。集中開催で1回戦総当たりのグループリーグで、C組の浦和LはオリッサFC(インド)と台中藍鯨女子足球隊(台湾)を相手に2連勝し、すでに突破を決めた。第3戦では開催地ベトナムのホーチミン・シティと対戦し、引き分け以上で首位通過と準々決勝のホーム開催権を獲得する。

 オリッサFC戦はMF伊藤美紀が4得点、MF塩越柚歩が3得点するなど17-0の大勝を収めた。また、第2戦の台中藍鯨女子足球隊戦では試合開始直前にスコールに見舞われ、水たまりでまともにドリブルもショートパスもできないような環境での試合に。それでも後半に塩越がPKを決め、MF丹野凜々香が追加点を奪って2-0の勝利とした。丹野は「あそこまでのピッチは(経験が)ないかなと思います。アップ中にすごいスコールにあたって、みんな『嫌だな』を通り越して貴重な体験だと楽しんでいる感じだった」と話し、環境に左右されない精神的な強さを見せた。

 楠瀬監督は初戦のゴールラッシュについて「この前の17点は全てペナルティーエリア内のシュート。それは目指しているもの。そこまで崩していく。もちろんミドルシュートやロングシュートが必要なこともあるけど、(ゴールする)確率を考えれば、(負けている)残り5分や10分で出すのは良いけど、最後まで点の入る確率を高めて、追求しようとやっている。いいゴールもあったし、それをみんなでやろうとしている。ペナルティーエリア内でも動きが出てきた」と話した。

 そして、このベトナム遠征には日本代表の海外遠征での食事会場での姿もよく知られる西シェフが帯同している。丹野は「西シェフが来てくださっているので、大会中に体重が減るようなことを気にしなくても良いのがありがたい」と話した。また、楠瀬監督は「(遠征での食事が)大事だという男子のACLでの経験を得てクラブがやってくれている。西さんは百戦錬磨なので、顔を見るだけで選手が安心したのもあると思う」と話す。

 その効果として「僕は結構、郷に入っては郷に従えというタイプで、育成年代の指導も長かったから、そこの国の食事を食べろと言うタイプだった。ただ、こんなに(食事が)ストレスなく楽しみで、こんなに太ってしまうキャンプは初めて。美味しいし、バラエティにも富んでいる。大会に来ているのでよそ見する暇はないけど、選手たちにしても海外に来たからショッピングに行きたいとか、そういう欲が全て食事会場で済んでしまうくらいリラックスしている」と話した。

 楠瀬監督は昨季のプレ大会決勝を戦った仁川製鉄レッドエンジェルス(韓国)の入ったA組はレベルがかなり高いと話し、「今は、3月の決勝トーナメントを勝てる自信がないとは言わないけど、もっとこっちが重装備にならないといけない。怪我人が戻って、若手が伸びてコンディションを合わせて、サポーターの力も借りてやっと互角というレベルだと思う」と話す。それでも「予選からでも日本から2チーム、3チーム出られるようになったらいい。独り占めするには惜しい大会だと思う。大変なのを楽しみにしながらやっている」と話していた。

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