J助っ人が語る日本と欧州の違い ピッチ上での“性質”明かす「非常に重要な要素」
浦和FWリンセンが原口の名を挙げつつ言及
浦和レッズは10月8日に公開練習を実施。この日が34歳の誕生日だったFWブライアン・リンセンが右ハムストリングの肉離れから復帰した。そして、先月に加入したMF原口元気とのプレーについて「ヨーロッパでプレーしていた感覚が取り戻される感じ」として、約2年間の日本人選手とのプレーで感じたものとの違いを話した。
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リンセンは9月21日のFC東京戦の試合中に右足を押さえて負傷交代。その後、ハムストリングの肉離れと診断されて離脱した。ただし、その時点でも重傷ではないというアナウンスがあり、ランニングをする姿は早い段階から見られていた。リンセンは「ゲーム中に違和感があり、経験からもここは止めておいた方が良いと感じた」と話し、結果的に長期離脱を避けられた。
2022年夏にオランダの名門フェイエノールトから加入のリンセンは、来日後は負傷も多く苦しんでいる。しかし、マチェイ・スコルジャ監督に交代して4試合を戦い1勝3敗の浦和だが、その初戦で勝利したガンバ大阪戦と、FC東京戦でリンセンが負傷交代をする前はゴールチャンスを作り出す場面があった。リンセンが見せていた背後への抜け出しで中盤の選手にプレーするスペースを提供することなども含め、欠場することで存在感を認識させる状態になっている。
そのリンセンは34歳の誕生日のトレーニングが始まる前の円陣で、チームメートから大きな拍手を受けた。自身について「33歳の昨日と特に変わらなくて調子は良いし、まだまだ若い。日本に来てちょっと怪我もあるけど、その理由は年齢からではないと思う。データを見ても、スプリントや走行距離、高強度ランニングも変わらないので、まだまだプレーできる。いつかそのような部分や強度が保てなくなったら、初めて『年を取ったな』と思うだろうけど、まだまだいける」と話した。
そして、9月に加入してボランチでのプレーが多い原口について「ヨーロッパでプレーしていた感覚が取り戻される感じがある。彼のうしろからのコーチングは、日本とはちょっと違ったものを感じさせてくれる。彼のような選手がうしろにいるのは良いことだ」と話す。
その理由について「日本ではピッチ上であまりうるさくない選手が多い。少し静かというか。日本ではそういう環境で育っているんだと思う。ヨーロッパはお互いに大きい声を出して助け合うし、怒りをぶつけ合うことだってある。日本はどちらかと言えば逆で、静かな印象はある。うしろから、指示を出してくれる選手がいるのはやりやすい。そのへんは元気がいると助かる理由だ。もちろん、コミュニケーションは非常に重要な要素だ」と話した。
このような点について、過去に浦和に所属して現在は名古屋グランパスでプレーするデンマーク人FWキャスパー・ユンカーは「日本では少し感情を隠しながら、押さえながらプレーすることが求められている気がする」と話したことがあり、6月にカタール移籍したDFアレクサンダー・ショルツも「もっとチーム内で強く要求し合う必要がある」と話していた。また、原口も浦和復帰後に「ちょっと静かな選手が多い」という印象を口にしていた。
幼少期からの教育や文化の違いが関わってくる部分ではあるものの、強いサッカーチームになるという観点からすればリンセンら外国人選手の意見も重要なものだろう。原口の加入で浦和に起こる変化も注目される。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)