J2新スタジアムの芝に選手言及 「下が緩い」実感も…示した「本当のプロサッカー選手」の意義
試合中にはピッチで芝が剥がれる場面あるなか長崎MF安部「そこは両チーム一緒」
V・ファーレン長崎は10月6日、J2リーグ第34節大分トリニータ戦を新たなホーム「ピーススタジアム」で行い4-1の勝利を飾った。こけら落としとなった最新施設には1万9011人が集まり、声援を送る。公式戦で初使用となったピッチだが、プレー中にところどころ芝がめくれる場面も。実際にプレーした選手の声を聞いた。
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蒸し暑さが残る10月初旬。長崎の大きな複合施設「長崎スタジアムシティ」の中心となるピーススタジアムに長崎、大分それぞれのサポーターが集まった。試合前から注目を集めた新スタジアムの初陣は、4-1とホームの声援を力に変えた長崎が快勝を収めている。
そんななか、前半から特にサイドのピッチで芝がめくれるシーンが散見。相手に対しMF安部大晴がスライディングタックルを仕掛けボール奪取に成功した際にも同様の事象が起こっていたが、試合後本人は「下が緩いってところはありますけど、そこは両チーム一緒なので。自分たちは練習している分アドバンテージはあったかもしれないですけど、そこでやるのが本当のプロサッカー選手だと思うので、変わりなく自分のプレーをやりながらチームを勝つ方向に持っていければと思っていました」と冷静に語った。
安部はそのスライディングで膝を痛め、一時試合が中断。ファンの不安が募る場面ではあったが、水を飲みに来た選手たち、そして倒れ込む安部はサポーターから力をもらう。「自分的にもちょっと(相手に)踏まれて痛かった場面はあったんですけど、背中の声援が押してくれたというか、本当に頑張ろうと思えましたね」と、立ち上がり後半39分までプレーを続けた安部は笑顔で感謝を伝えている。
前半、相手の大分が左サイドで仕掛ける際にも芝がめくれ、試合が止まった際にMF野村直輝が足で直すような行為も行っていた。アウェーチームの片野坂知宏監督は、4失点の原因はあくまで自分たちのミスに原因がある点を主張しつつ、「グラウンドが、今回はじめてのこけら落としということで、芝の根付き方とか色々な要素はあった」と、ピッチの面で新スタジアムの初ゲームならではの影響についても言及していた。
最大約2万人を収容でき、最短でピッチから5メートルと臨場感あふれる会場を目指す最新施設のピーススタジアム。開場前も案内人が慌ただしく動くなど、初戦なだけに改善点はまだある。それでも「自分たちのパワーになった」と、新ホームスタジアムでの勝利を喜んだ安部の言葉にある通り、今後もJ1昇格を目指す長崎に、大きな“声援”が呼び込まれたのは間違いない。
(FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko)