データから導くW杯最終予選「突破の条件」 ハリルジャパンの勝算と課題とは
セットプレーからの4失点は最多タイ
そして冒頭のDATA-1では、攻撃時のセットプレーにおける課題を紹介したが、これ以上に大きな問題となっているのがセットプレーからの失点の多さだ。
日本の自陣でのファウル数(14回)は12カ国中6位と平均値(13.3回)に近いもので、相手にとりわけ多くのFKを与えているわけではないが、最終予選の5失点中4失点はセットプレーから喫したものであり、これはタイ、イラクと並んで最多の数字となっている。
セットプレーからの得点・失点が勝敗を決めた試合はこれまでも多くあった。UAE戦ではアーメド・ハリルにフリーキックを決められたが、彼は2次予選でもプレースキッカーを担っており、多くのシュートを枠に収めている。セットプレーの場合、スカウティングが十分であれば対策は可能だ。予測できるレベルの失点を減らすことで、W杯本大会出場へと続く道をより強固なものにしたい。
5試合を終えて勝ち点1差にサウジアラビア、日本、オーストラリア、UAEの4チームがひしめく未曾有の大混戦となっているグループB。1試合の結果、1ゴールの差が各国の命運を大きく左右する。2巡目となる後半戦の戦いは、各国が前半戦に得たデータを基に戦略を練るだけに、ワンシーンも見逃すことができない緊迫した攻防が繰り広げられるはずだ。
データ提供元:Instat
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Soccer D.B.●文 text by Soccer D.B.(http://soccer-db.net/)
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