無念のベンチ外も「代表の宿命」 日本代表OBが考える起用法のシビアな現状「恨みっこなし」【見解】

代表では苦境が続く旗手怜央【写真:ロイター】
代表では苦境が続く旗手怜央【写真:ロイター】

【専門家の目|栗原勇蔵】旗手怜央はユーティリティー性を誇るも「選ばれたから使われるわけではない」

 森保一監督率いる日本代表は10月3日、2026年の北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選を戦う10月のサウジアラビア戦(11日=ジッダ)、オーストラリア戦(15日=埼玉)に向けたメンバー27人を発表した。MF旗手怜央(セルティック)は前回の9月シリーズでは招集されながらベンチ外で出番はなかったが、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「それが代表選手の宿命」と自身の経験を基に見解を述べている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 日本代表は9月にW杯アジア最終予選で中国(ホーム/7-0)、バーレーン(5-0)と対戦してそれぞれ大勝。しかし、旗手自身はメンバーに選ばれながら、2戦とも試合に出場できる23人の登録メンバーに入ることができなかった。

 今季スコットランド1部スコティッシュ・プレミアシップでは、ここまで6試合中5試合に先発して2得点をマーク。そのなかで、10月の日本代表メンバー27人に選ばれた。

 2列目など攻撃的なポジションから、ボランチ、サイドバックまで幅広くこなせる旗手のユーティリティーが評価されての選出と言える。ただ、長距離移動のうえに、再び試合に出られない状況となれば、心身ともにダメージは大きい。

 2014年のブラジルW杯アジア最終予選など、日本代表で19キャップ(先発13試合、途中出場7試合)を刻んだ栗原氏は、「つらいところだけど、それが代表選手の宿命」と見解を述べる。

「チームなので、選ばれたからといって使われるわけではない。ただ、クラブと違うのは、(戦力として)必要なければ呼ばれない。旗手はどこでもレベルの高いプレーはするけど、いずれも2番手、3番手。いわゆる緊急事態要員だと思います。僕も海外に行って試合に出られず、コンディションが崩れることもありましたけど、それは代表の宿命。実力的にまだまだ足りないからベンチなんだなと思っていました。もちろん苦しかったです。ただ、圧倒的な力があれば出ているはず。旗手は海外での経験もあるし、ポテンシャルは高い。チャンスがあれば使ってほしいですけど、それはどの選手も同じなので、恨みっこなしです」

 10月シリーズで旗手に出番が巡ってくるのか、こちらもポイントの1つになりそうだ。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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栗原勇蔵

くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。

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