岡崎慎司を彷彿「誰とも特徴がかぶらない」 日本代表OBが太鼓判…初招集28歳FWの能力【見解】
【専門家の目|栗原勇蔵】ブラックバーンFW大橋祐紀は「満遍なくレベルが高い」
森保一監督率いる日本代表は10月3日、2026年の北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選を戦う10月のサウジアラビア戦(11日=ジッダ)、オーストラリア戦(15日=埼玉)に向けたメンバー27人を発表。FW大橋祐紀(ブラックバーン)が28歳で初招集となったなか、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「今が旬という評価」と指揮官の意図を推察している。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)
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28歳の大橋は2024年シーズンに湘南ベルマーレからサンフレッチェ広島に加入し、公式戦27試合で16得点をマーク。評価を高め、今年7月にイングランド2部ブラックバーンへと渡った。海外初挑戦ながら新天地で快調なスタートを切り、ここまで公式戦10試合で5得点、リーグ戦では8戦4発を決めている。ブラックバーンは開幕から4勝3分1敗の6位につけ、大橋は好調のチームを支える存在だ。
その活躍が認められ、A代表に初招集。森保監督はメンバー発表の記者会見で、「同じ力を持っているのであれば若い選手を招集することも考えられるかもしれないし、いろいろなやり方があるなかで、彼がすでに28歳ということでW杯やその先を見据えた時に招集されるのは、なかなかこれまでできていなかったことかもしれない。そうでもないところでも、我々は見ているというのをいろいろな選手に知ってもらえればと思う」と説明した。
日本代表OB栗原氏は大橋について、「飛び抜けた一芸はないかもしれないけど、満遍なくレベルが高い。湘南にいた時から大橋には注目していましたけど、泥臭いプレー、献身的なプレーもできる」と高く評価する。
「ようやく選ばれたか、と。シャドーのポジションで言うと、堂安(律)、久保(建英)、南野(拓実)といったタレントがいますけど、誰とも特徴がかぶらない少し違うタイプ。前田(大然)や浅野(拓磨)のようにプレスをかけられるし、相手のポケットを突いたり、身体を張ってキープするプレーも上手い」
栗原氏は、日本代表で119試合に出場して50ゴールを記録したFW岡崎慎司氏を引き合いに出して、大橋の評価を続ける。
「派手なプレーをするわけではない玄人好みのタイプですけど、攻守において変化を加えたい時にスパイスとなれる選手。ゴール前の嗅覚、泥臭さは岡崎慎司に近いかなと。今は、古橋(亨梧/セルティック)みたいなスピードに特化した一発よりも守備も含めた献身性はマストだと思います。28歳で選ばれるのは今が旬という評価。W杯の年(2026年)でも老けこむ年齢ではないし、即戦力としてどれくらいいけるのかテストになると思います」
大橋が10月シリーズでどんなプレーを見せるのか、目が離せない。
栗原勇蔵
くりはら・ゆうぞう/1983年生まれ、神奈川県出身。横浜F・マリノスの下部組織で育ち、2002年にトップ昇格。元日本代表DF松田直樹、同DF中澤佑二の下でセンターバックとしての能力を磨くと、プロ5年目の06年から出場機会を増やし最終ラインに欠かせない選手へと成長した。日本代表としても活躍し、20試合3得点を記録。横浜FM一筋で18シーズンを過ごし、19年限りで現役を引退した。現在は横浜FMの「クラブシップ・キャプテン」として活動している。