町田の“ルール外行為”は「ずる賢い」 元日本代表が持論「そこまで考えていなかった」【インタビュー】
水野晃樹が町田への批判やSNSでの誹謗中傷に持論
J3のいわてグルージャ盛岡でプレーする元日本代表MF水野晃樹は、9月29日に今季限りでの現役引退を発表した。さまざまなキャリアを過ごしてきた39歳に昨今のSNSでの誹謗中傷や、今季度々話題になるFC町田ゼルビアについて持論を語ってもらった。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小西優介)
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39歳の水野は2004年にジェフユナイテッド千葉へ加入しプロデビュー。千葉では4シーズン過ごし、スコットランドの名門セルティックへ移籍した。日本帰国後は、柏レイソル、ヴァンフォーレ甲府、千葉、ベガルタ仙台、サガン鳥栖、ロアッソ熊本、SC相模原とJクラブを転々とし、21年の2月には社会人リーグのはやぶさイレブンに加入。そして2023年に岩手へ加入し、2シーズン過ごした今季終了後に引退を決断した。
そんな水野は昨今のJリーグで話題に上がるSNSでの誹謗中傷について「個人的にも誹謗中傷は来ていたが、気にしないタイプだった」と自身にも来ていたことを明かした。さらに「大前提として良くない」と言及しつつ、町田に対しての批判は「1つは町田が結果を出しているからこそ生まれている話だと思う」と触れた。
町田は先月29日にクラブ及び所属選手・スタッフに対する誹謗中傷について今後は「然るべき法的措置を取って参ります」と声明を発表した。水野は「サッカーの戦術としてはいろいろスタイルもある。そこをとやかく言うのは違うかなと。そのなかで誹謗中傷は良くない。サッカー界、大きく言えば世の中でなくしていかないといけない」と強く語った。
さらに「水をかけるのも本当にルール上には書いてないですし、ずる賢いと言ったらずる賢い。でもそれも1つの方法と言ったら方法」と話題を呼んでいる行為について言及。また「これまではそこまで考えていなかった。ルールに入っていなかったし、そこまで使うとかまでは思わなかった。今後ルールが追加されていくんじゃないかなと。モラル、マナーの部分は難しい。自分の中の当たり前から越えた部分もあるのかなと思います」と選手目線から持論を明かした。
SNSは「使い方次第では悪にもなる」
水野は社会人リーグ在籍中の2022年の9月、地元の静岡県静岡市清水区が台風15号の影響で断水していることを受けて、自身の公式SNSで「今水を詰め込んで出発しました。必要な地域に向かうので連絡ください。よろしくお願いします。#地元清水を助ける協力団 #運送中」と綴り、ボランティアで少しでも助けになるべく立ち上がった。
「X(旧ツイッター)だったりインスタがあってよかった。全国各地から必要なものが届いたし、それで助かった人も多かった。選手やっていて良かったと思った。そういう使い方はプラスに働いた」と当時を振り返った。
それでも「災害が起きた時にデマを広めるとか、人としてありえないなと思うことを良く見る。SNSが普及して良くはなっているが、使い方次第では悪にもなるし、難しい問題だと思う」とメリットとデメリットを指摘している。
また「サッカー界だけだはなく、世の中でマイナス要素を楽しむ人が増えている。大きな影響を与えるし、マイナス要素に働くと、一気に広がるので使い方次第だと思う」とファンだけなく選手のSNS使用についても語った。
[プロフィール]
水野晃樹(みずの・こうき)/1985年9月6日生まれ、静岡県出身。清水商業高―市原―セルティック(スコットランド)―柏―甲府―千葉―仙台―鳥栖―熊本―相模原―はやぶさイレブン―岩手。スピードと正確なキックが特徴のアタッカー。昨年2月に神奈川県社会人サッカーリーグのはやぶさイレブンから岩手へ移籍でJ復帰。日本代表通算4試合・0得点。
(FOOTBALL ZONE編集部・小西優介 / Yusuke Konishi)