“偉業達成”も「意味がない」…鹿島22歳に笑顔がないワケ 逸材ルーキーに募る危機感

鹿島の濃野公人【写真:徳原隆元】
鹿島の濃野公人【写真:徳原隆元】

濃野公人が2ゴールで新人のクラブ最多ゴール記録更新も…2-3の逆転負け

 鹿島アントラーズは9月28日のJ1第32節で湘南ベルマーレと対戦し、前半27分までにDF濃野公人の2ゴールで2点をリードした。しかし、J1残留争いを繰り広げている湘南の反撃に遭い、2-3の逆転負けを喫している。初の複数ゴールを挙げて今季の通算ゴール数を9まで伸ばした濃野は、2014年に8ゴールを挙げていたFWカイオを抜き、新人のクラブ最多ゴール記録を作った。しかし、敗戦という結果に試合後は笑顔がなかった。

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 攻撃面で突出したパフォーマンスを見せ、この試合までチーム2位タイの7得点を挙げていた濃野は、前半22分にCKからDF関川郁万が流したボールをゴール前で押し込み、今シーズンの通算ゴール数を8に伸ばす。そして、その5分後にはFW鈴木優磨へ縦パスを出してゴール前に侵入し、リターンパスを受けて通算9点目のゴールを決めた。

 リーグ戦6試合未勝利(3分3敗)で迎えた一戦を振り返り、濃野は「チームはうまくいってない状況の中で、それを何とか打破しようってチームみんなで話しましたし、試合の入りも決して悪いものではなかったので勝ちきれなかったし、負けてしまったことはもったいなかったと思います」と、悔しがった。

 2失点目の場面で濃野は中央でフリーになっていた選手を警戒し、DF畑大雅に対応しきれずに自身のサイドから同点ゴールを決められた。「相手が3バックで、数で殴ってくる感じだった。それに対して横ズレがなかなかできていなかったですし、その受け渡しのタイミングがちょっと遅れていたので、後手に回ることが多かった。そこも改善できれば良かった」と、攻撃にも人をかけてくる相手の対応に苦戦したことを認めた。

 ルーキーのDFながら、自身の通算ゴール数が「9」になったが「(チームを)勝たせないと意味がない。今はそっちに目を向けるべきじゃない」と、偉業達成にも笑顔はなかった。そして、「やっぱり強かった時の鹿島はそうだった(絶対に勝ち切った)って皆さんおっしゃいますし……。鹿島の良さとして代々受け継がれてきたものが、最近薄れてきちゃっている。全部が悪いとは思わないのですが、そうやってしぶとく戦ってきた結果が、先輩方が残してきてくれた偉大な記録だと思いますし、そういう大事なものは失くしちゃいけないと思いますし、もう1回クラブ全体で原点に立ち返るべきかなと思います」と、勝ちきれなかった試合に危機感を募らせた。

(河合 拓 / Taku Kawai)



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