日本代表は「目標」も 大卒2年目の広島24歳MFが分析した森保J入り「できていない」理由
2アシストで町田との天王山勝利に貢献した広島MF中野就斗
首位サンフレッチェ広島は9月28日、J1リーグ第32節で2位のFC町田ゼルビアと“天王山”を戦い、2-0で完勝した。ウイングバックで先発出場した大卒2年目MF中野就斗は2アシストで勝利に貢献。2万6000人以上が駆け付けたホーム・ピースウイングスタジアム広島に歓喜をもたらした。今季のアシスト数を5に伸ばした24歳はJ1最高峰の戦いで輝きを放った。
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天王山にふさわしい雰囲気だった。満員のスタジアムに響き渡る声。前半開始わずか3分。紫一色に染まったスタンドがいきなり最高潮のボルテージに達した。ボールを奪った広島はMF川辺駿がアウトサイドで右ウイングバックの中野へ秀逸なパス。中野は相手のラインを見極めてFWゴンサロ・パシエンシアへ完璧なクロスを送った。あっという間の先制点。これで流れを掴んだ。
続く同23分、再び高い位置でボールを奪い川辺から中野へ。中野は1対1で相手をかわして今度はニアサイドへクロスを送った。飛び込んだFW加藤陸次樹が合わせて追加点。アシスト2本とも供給すべきコースを見極め、高技術が光った。
桐蔭横浜大から加入2年目。同大4年生時の2022年に特別指定選手として、開幕節で途中出場してJリーグデビューを果たし、昨季はプロ1年目ながら主力に定着。今季はここまで全32試合で先発出場している。
「本当に毎試合たくさんの成長を得て結果に出てくると嬉しい。ただもっともっと高い目標を持ってやっていくうえでもまだまだ力はないなというふうに思っているのでそこはこの先も続けないと厳しい」
今季4ゴール5アシスト、器用にさまざまなポジションをこなして攻守の核となっている。それでも貫きとおすのが謙虚な姿勢。「本当にチームに恩返しがしたいという思いでプレーしているので、そういう意味では自分がこのチームでできることは何かと考えたらやっぱり戦うことだったりそういう部分」。自身も「鳥肌が立った」という声援に応えるため、ピッチに立っている。
ハイパフォーマンスを続けており、日本代表入りも見えてくる。目指すべき舞台については「代表は目標でもあります」としたうえで「でも、選ばれたとしても定着しないと意味ない。まだまだ代表定着できるプレーというのはできていないと思うので、そこはもっと高いところを目指していきたい」と冷静に分析した。その“まだ足りない”という思いこそが中野自身を突き上げているのだろう。
残り6試合。優勝への階段を駆け上るべく、24歳は目の前の一戦に立ち向かう。