黒田監督、相手のロングスロー用タオル“濡らし行為”を批判「反スポーツ的行為に値すると思う」
チームは0-2で完敗…痛恨黒星で3位に転落
2位FC町田ゼルビアは9月28日、J1リーグ第32節で首位のサンフレッチェ広島と対戦し、0-2で敗れた。天王山で完敗を喫し、3位に転落。黒田剛監督は試合後に「差」を認めた。また、ロングスロー用のタオルを広島サイドが“ピッチ外”で触った件については語気を強めた。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
首位の壁は高かった。前半開始わずか3分、相手に自陣で奪われると左サイドから突破を許して、クロスを上げられる。ワンタッチでFWゴンサロ・パシエンシアに先制点を決められ、いきなりリードを奪われた。
リーグ最少失点の町田と最多得点の広島、“矛盾”対決。その後もホームの広島に優勢に進められ、同23分には再び高い位置で奪われたところからクロスの供給を許し、ニアサイドで合わせられた。
直接対決に敗れて、首位広島に勝ち点3差に広げられた。初優勝に向けては手痛い黒星。試合後、黒田監督は広島との“差”について口を開いた。
「終わってみれば立ち上がりの悪さ、そこで失点してしまったことが敗因のすべて。システムを変更して前半のクロスの対応があまりにも悪すぎた。(クロスからの)2本だったけど、2本が悪すぎた。開始から20分は広島さんのかなり得意な時間。もう一つ先手を取っていきたいところだったが、ファウルで終わったり。ファウルが先行してしまった。そこが悔やまれる。(広島は)圧倒的にボール際、セカンドを回収する感覚、立ち位置、さすがに洗練されている。経験の違い、我々はJ1初挑戦で優勝争いを経験していないメンバーが多くいる中で後手を踏んでしまった。そこで広島さんと差があった。3位まで転落するが、残り6試合上位2チームが連勝するのも考えにくい。我々は目の前の一戦をしっかり戦い、上位に食らいついていきたい」
天王山は2万6000人以上が駆け付けた白熱の一戦となった。ピッチ内ではプライドがぶつかり合った好ゲームとなった一方で“場外戦”も。前半20分過ぎに広島のベンチ選手がロングスロー用のタオルを回収したり、水を濡らすなどの行為があったとして、黒田監督自身もベンチから激しく抗議していた。試合後、指揮官はこの点についても触れた。
「抗議はしますけど……やられ放題では(いけないので)。反スポーツ的行為に値すると思う。相手が用意したものに対してそれを隠すとか、袋のチャックを開けて中に水を差し込むとか…これは行為はやってはいけない。それを黙認している周囲もありましたから。正々堂々と守備の対応でやってほしい。ロングスローがあるのであれば、ロングスローの守備での対応力で(相手)チームを阻止するべき。ルールにないとはいえ、そういうことは……。人のもの、相手チームが用意したものなので、そういうものはスポーツマン的な行為として良くない。それを許すと水に何かを入れていいとかになってしまう。止める人が誰もいなかった。管理してほしいなと思います」
ロングスロー用のタオルについては8月31日の第29節浦和レッズ戦で相手のフィジカルコーチがタオルを袋ごと持ち去り、自身の頭を拭くシーンで物議を呼んだ。直後には第4審に口頭から注意を受ける場面もあった。日本サッカー協会(JFA)は「リーグとしてはタオルを置くことは禁止していない。間隔や枚数に何かを言うわけではないが、両チームがいてこそのものなので配慮はして欲しい。レフェリー側だけでこれはダメというものではなく、自分のチームのベンチサイドに相手のものがあるというのもあっての反応という部分もあると思うけど、すべてについてレフェリーが入るものではないと思う」との見解を示していた。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)