「エラー」を恐れず 大量5失点も光った新潟の希望…28歳FWが見せた意地の一撃
太田は後半21分からピッチに立ち、反撃の1点を川崎から奪った
アルビレックス新潟は、9月27日に行われたJ1リーグ第32節川崎フロンターレ戦で1-5の大敗を喫した。反撃の一撃を見舞ったのは途中出場の28歳FW太田修介。ボールを奪われた際も何度もしつこく追いかける姿が印象的だった。“パスサッカー”を展開する新潟において、終盤戦の起爆剤となるか。
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小雨が降り始めた涼しい気候。川崎のホーム「Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu」で19時キックオフとなった試合は、序盤雨のせいかピッチのところどころでボールの勢いが殺される瞬間もあった。これまで両チームともにボール保持から攻撃を展開するサッカーを展開してきたが、この試合では新潟がよりポゼッション重視(ポゼッション率59%)、川崎側は鋭いカウンターも駆使しながら戦う姿が対照的に映る。
前半に2失点。前線からの厳しいプレスに苦しんだ新潟は、ハーフタイム後にスペースを突くドリブルやポジションチェンジなども加えつつ、改善を図った。だが後半18分、20分、28分と立て続けに失点して5点差に。それでも3失点目直後に途中出場した太田は、果敢に川崎の守備陣を脅かし、ついには後半41分にMF星雄次のクロスを押し込んで1点を返した。
結果は1-5の大差で敗北。それでもバックラインからパスをつないでゴールに迫るチームについて、試合後に松橋力蔵監督は「中央を決して恐れずに」と表現した。一方で「エラーが増えていくという部分は私がしっかり落とし込めていなかったということ」とボールの失い方について反省を述べている。
選手たちもそれを感じているようで、ミックスゾーンではやはり暗い表情で通過する新潟選手たちが多かった。川崎の鬼木達監督は対戦した新潟を「ボールをしっかり動かせる難しい相手」といった言葉で表したが、その言葉が“ゴール前で脅威になり切れなかった”チームの課題にもつながっているように感じる。
唯一新潟で得点を挙げた太田は、ゴール後にFW鈴木孝司とピッチ上で会話を交わす場面も。残りアディショナルタイムを含めても10分とないような状況ではあったが、その鋭い目は新潟の1つの希望にも見えた。5月12日のトレーニング中に左ハムストリングス付着部を損傷し、9月にようやく戻ってきた太田。足早に去っていく選手を捕まえることはできなかったが、川崎とは10月9日に第1戦が行われるルヴァンカップのプライムラウンド準決勝でも再戦する。その時に備え、静かに闘志を燃やしているはずだ。