“わずか1秒”の明暗「もう入ったな」「たぶん当てられた」 鮮やか直接FKの舞台裏
山田楓喜「もう入ったなと思いました」、木村誠二「当てられたと思う」
東京ヴェルディは9月22日、J1リーグ第31節でサガン鳥栖を2-0で破った。どちらが勝ってもおかしくなかった試合で、勝敗を分けたのはFW山田楓喜の鮮やかな直接フリーキック。左足から放たれたボールはゴール右上に吸い込まれ、「あそこでファウルをもらった瞬間、もう入ったなと思いました」と振り返った。
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前半16分、相手のスローインの流れからMF宮原和也が上手く身体を入れて奪い取ると、パスを受けたFW木村勇大がターンしたところで転倒。今村義朗主審のホイッスルが鳴った。ペナルティアークやや右寄りという絶好の位置。これを前半19分、山田が壁の頭上のわずかなスペースに蹴り込み、美しい弧を描いた。
「壁を越えたらもうボールも隠してるし、キーパーも反応できないと思うので、とりあえず壁を越えたら入るなという印象だった。もうなんて言うんですかね、自分の左足を信じて蹴り込むだけでしたね。隅に蹴ったら入る。その技術は自分で持っていると分かっていたので」
一方で、鳥栖側から見ると、壁の真ん中に入っていたMFヴィキンタス・スリヴカのジャンプのタイミングが少し遅れていることが分かる。そして無情にもボールは、その頭の上を抜けていった。DF木村誠二は「ヴィキに飛ぶタイミングをちょっと早めにしてって言ってたんです。ボール速いので。あそこもたぶん当てられたと思う。本当に最後のところもう少し詰められたら」と悔しがった。
試合はその後、一進一退の攻防が続いて前半が終了。徐々に鳥栖がボールを握って攻勢を強めたが、後半36分にコーナーキックの流れから東京VのMF翁長聖が頭で押し込んで追加点を奪った。結果的に試合の展開を左右したのは、序盤で発生した直接フリーキック。わずか1秒にも満たない攻防が明暗を分けた。