報われぬ若手の奮闘「やっぱり僕も心が痛い」 遠のくJ1残留も…元日本代表の“胸中”
5連敗の鳥栖で輝き放った清武弘嗣「ゴールを決められなかったのは残念」
サガン鳥栖は9月22日、J1リーグ第31節で東京ヴェルディに0-2で敗れた。最下位に沈むなか、アウェーで主導権を握る時間も多かったが、前半19分に直接フリーキックで失点。後半36分に追加点を奪われた。後半15分から出場したMF清武弘嗣は「苦しい戦いになっているのは、やっぱり僕も心が痛い」と明かした。
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リーグ戦5連敗で9戦未勝利となった鳥栖。残り7試合で残留圏とは勝ち点8差と苦しい状況が続いている。7月7日にセレッソ大阪から期限付き移籍で加入した元日本代表MFは、この試合でも後半途中からの出場ながらクオリティーの高いパスでチャンスを演出。攻撃のリズムを生み出したが、最後まで1点が遠かった。
清武は試合後、終了のホイッスルまで諦めずに戦った若手選手への思いを語った。
「サガン鳥栖の選手っていうのは本当にひたむきで真面目。いい選手がいる中で、こういう苦しい戦いになっているのは、やっぱり僕も心が痛い。選手もスタッフも苦しいだろうとは思うんですけれど、そこから目をそらさずにみんな本当によくやっているっていうのは、僕自身がすごく一番感じているんです」
Jリーグだけでなく、海外での残留争いも経験した。「下を向いてもしょうがないし、暗くなってもしょうがない。じゃあ暗く練習するのか、明るくポジティブに練習するのか。練習の内容で雰囲気は変わってくるので、そういうのを心がけています」。物静かな選手が多い中、いじられ役も買って出るという。
一方で、自身のプレーには手応えを掴む。「本当にこっちに来てやっと身体もどんどん良くなってきて。今日も自分のパフォーマンスは全然悪くなかったと思う。その中でゴールを決められなかったのは残念。悔しいですけどね、やり続けるだけかなと思います」。怪我を乗り越えた34歳が再び輝きを放っている。
鳥栖に移籍後、8月7日の鹿島アントラーズ戦で先発した以外は、スーパーサブとして後半からピッチに立つ試合が続いている。「与えられた時間で自分が何ができるかっていうのは考えています」。次節に控えるのは、アビスパ福岡との「九州ダービー」。負けられぬ一戦で頼りになるのは背番号「55」の男だ。
(FOOTBALL ZONE編集部・工藤慶大 / Keita Kudo)