監督電撃辞任で「厳しい時期」 豪州代表Jリーガーが日本戦へ胸中「かませ犬だと思われるような立場でやりやすい」
オーストラリア代表FWデュークもアーノルド監督の電撃解任は「驚きの出来事だった」
FC町田ゼルビアは9月21日に行われたJ1リーグ第31節で北海道コンサドーレ札幌と対戦し、0-0で引き分けた。町田のオーストラリア代表FWミッチェル・デュークは後半22分に韓国代表FWオ・セフンとの交代でピッチに立ち、MF相馬勇紀のクロスから決定的なヘディングを放つなど決定機にも絡んだが、チームにゴールをもたらすことはできなかった。
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町田での戦いも重要な局面を迎えているデュークだが、2022年のカタール・ワールドカップに続く、2大会連続のW杯出場を目指す彼にとって、オーストラリア代表の戦いも重要な局面を迎えている。オーストラリアはアジア最終予選で日本と同じグループCに入っているが、日本が第1戦の中国戦(7-0)、第2戦のバーレーン戦(5-0)に2連勝したのとは対照的に、第1戦でバーレーンに0-1で敗れると、第2戦ではインドネシアと0-0で引き分けた。
2試合を終えて勝ち点1のオーストラリアは、グラハム・アーノルド監督が電撃辞任。インドネシア戦に先発起用されていたデュークは「選手たち全員にとっても、驚きの出来事だった」と明かし、「月曜日にはミーティングがある予定で、そこで次の展開を知ることになるだろう。オーストラリア代表にとっては厳しい時期が続くけれど、そこを抜け出さないといけない」と、力強く語った。
監督の辞任について「責任も感じている。チームの重要な役割を担っている状況だからね。若い選手が出てきているなかで、僕は多くの経験をしてきているから、彼らを引き上げながらチームを助けたい。来月には日本戦を含めて2試合もあるし、経験を生かしてチームを助けたい」と繰り返した。
オーストラリア代表は10月にグループ最下位の中国、そしてグループ首位の日本と対戦する。2試合を終えて勝ち点1、6チーム中5位のオーストラリアにとっては、2連勝で流れを変えたいところだ。最終予選が始まる前から日本戦を意識していたというデュークだが、オーストラリア代表の現状が、その重要性を高めていると語る。
「全員にとって次の活動はフレッシュなスタートになる。新しい監督の下で、誰が自分の名前を最初に記せるかというチャンスでもある。そういうポジティブな意識で日本戦に臨めるだろう。同時にそれができないといけない。日本は今、信じられないほど素晴らしい状態だし、極めて強いから、すべてを出し切らないと勝てないだろうからね」
ライバル日本戦は「最高の力を出せば、互角に戦える」
オーストラリアがアジアサッカー連盟(AFC)に加盟してから、W杯予選では毎回日本と対戦している。激闘を繰り広げてきた歴史があり、いいライバル関係を築けている。デュークは「FIFAランクでも近いところにいるし(日本16位、オーストラリア25位)、大きなリスペクトを持っている。日本はグループで抜き出た成績を出しているけれど、僕らはそれもモチベーションにするつもりだ。最高の力を出せれば、互角に戦えることは分かっている。しっかり準備をしたい。僕の日本での経験も生きるだろうし、僕らベテランの経験と若手の勢いで乗り切りたいね」と、Jリーグで戦っている利点も生かしたいと口にした。
そして、前回のW杯最終予選の序盤で苦しんだ日本のように、オーストラリアも立ち直ることを誓う。「逆に日本は、これだけ好調で勝利が求められる状況だ。勝利を期待されるなか、勝つことが求められるなかで戦うプレッシャーを、彼らは感じることになる。僕たちはかませ犬だと思われるような立場でやりやすい。前回のW杯予選の日本を振り返ってみればいい。彼らもオマーンとサウジアラビアに敗れたけれど、そこから予選を突破した。いいスタートを切れなくてもそうなったし、僕たちもそのメンタリティーを真似て、もう一段階、ギアを上げて同じことを成し遂げたい」と、逆襲に闘志を燃やした。
前回のW杯最終予選では、日本はオーストラリアに2連勝を収めているが、新監督のもとで10月の活動をターニングポイントとしようとしている相手は、森保ジャパンにとって大きな脅威になりそうだ。
(河合 拓 / Taku Kawai)