J1首位・町田は「非常に特殊」 札幌監督が“個人的な好み”とは異なるサッカーに感じたことは?
札幌ペトロヴィッチ監督は町田について「オーガナイズされたサッカーをする」と評価
北海道コンサドーレ札幌は9月21日に行われたJ1リーグ第31節で首位のFC町田ゼルビアと対戦し、0-0で引き分けた。首位の相手からアウェーで勝ち点1を掴み取った試合後、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は「今の状況で満足できる結果ではありませんでしたが」と言いつつも、「身体を張ってゴールを割らせずに首位の相手から勝ち点1を取れたことは評価したい」と、J1で快進撃を見せている相手との試合で勝ち点を重ねられたことに納得の様子を見せた。
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この試合を視察した日本代表の森保一監督も、試合後には「世界的にも珍しく、1位から20位まで優勝を狙える可能性がある。スタート時点では(全クラブが同じ)目標を掲げたり、スタートラインが同じなのは世界的にも珍しい。どこが優勝してもおかしくないと感じながら見させてもらっていました」と語っていたが、実際に優勝争いをしているクラブと残留争いに苦しむ19位のクラブ間の力の差を感じさせない一戦だった。
2006年から日本で仕事をしているペトロヴィッチ監督は、「町田との試合は難しいものになると思っていましたが、その通りでした」と切り出し、自身の目に映る町田をイングランドのあるクラブに似ていると語った。
「町田は非常に特殊な、オーガナイズされたサッカーをするチームです。高さのある選手が多く、そこをターゲットにロングボールを入れてきてからのセカンドボール、そこからのシュート、クロス。あるいはロングスロー、コーナーキック、フリーキックと、非常にオーガナイズされたセットプレーもあります。分かってはいてもなかなか防ぎきれないことが多い。そういうシチュエーションを意図的に作り出して得点し、試合をものにしていくチームですので、今日の試合は非常に難しいゲームでした」と言い、イングランドのストーク・シティに似ているという持論を続けた。
「過去にプレミアリーグでストーク・シティというクラブが戦っていましたけど、そのチームは小さい選手でも180センチ後半の選手で、高さのある選手を揃えて、それを生かす戦い方をしていました。ストーク・シティもロングスローを多用するチームで、セットプレーでも強さを発揮していました。イングランドのスタジアムは陸上トラックがないサッカー専用スタジアムで、観客の方々はロングスローやセットプレーになると、得点の匂いを感じて沸いていましたが、そうした昔のストーク・シティに町田はすごく似ているなと感じました。ここでもセットプレーがあると、見ている方々は得点の匂いを感じて沸いている、そんなアウェーゲームでした」
このように町田を評したペトロヴィッチ監督は、そのサッカーが自身の理想とは異なることも隠さなかった。
「サッカーの個人的な好みとしては、私は『ロングスローをペナルティーエリアに入れてはいけない』、あるいは『セットプレーをペナルティーエリアに放り込んではいけない』と、そういうルールがあれば『いいな』という風に思うタイプです。そういうルールがあったら、もしかしたら、よりボールをつながなければいけないような、そういうサッカーに変わっていかなければいけないかもしれません」
今シーズン多くの話題を呼び、議論の的にもなることの多い町田のサッカーに感じていることを語った。
(河合 拓 / Taku Kawai)