長友佑都は「チームに溶け込んでいた」 名門インテルでの貢献度を元選手が評価「犠牲を払って動いていた」【現地発】
元選手で現在はカメラマンのマリアーニ氏は長友を「ブラボーな男」と称賛
FC東京に所属する日本代表DF長友佑都は、2010~18年までイタリア1部セリエAでプレーした。名門インテルではカップ戦タイトルも獲得したが、元選手で現在はカメラマンとして活躍するアルベルト・マリアーニ氏は、「素晴らしい人格の男だ」と称賛している。
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長友は2010年の南アフリカ・ワールドカップ(W杯)後にFC東京からイタリア1部チェゼーナへ期限付き移籍。11年には名門インテルの一員となり、12-13シーズンからはレギュラーとしてプレーした。2010-11シーズンにはコッパ・イタリアのタイトルも獲得している。
イタリア語を華麗に操り、元アルゼンチン代表MFエステバン・カンビアッソ氏とは親友だったほか、元イタリア代表DFマルコ・マテラッツィ氏や元イタリア代表FWアントニオ・カッサーノ氏らとも交流があった長友。元選手で、2012年からはカメラマンとして主にイタリア・ロンバルディア州での試合を撮影しているマリアーニ氏は、「(ASローマなどでプレーした元日本代表MF)中田英寿も撮ったし、長友佑都も撮った。特に長友の写真はたくさんあるよ」と振り返る。
「どんな選手だったか」との問いには、今や長友の“代名詞”の1つにもなっている「ブラボー」のフレーズを使いながら、日本からやってきたダイナモを称えている。
「長友はすごくスピードがあったから、写真に収めるのは簡単ではなかった。チームのためによく働いていたし、貢献していたと思う。彼は犠牲を払ってチームのために動くだけでなく、ロッカールームを団結させる選手でもあった。技術的にとても優秀な選手だったが、ロッカールームのまとめ役としても重要だった。そして、人格も素晴らしかった。私に白いユニフォームをプレゼントしてくれた。とても大事にしていて、今も家にあるよ。インテルのアウェーの試合だった。とても快く対応してくれたし、ブラボーな男だ」
マリアーニ氏は、元選手という目線からも、長友のことを高く評価している。
「僕はサッカー選手だったから、その選手がいいフィーリングでプレーできているかどうか、よく分かるんだ。ボールが来て、ほかの選手にパスをする。そうした一連のプレーをよく見れば、チームに溶け込んでいるかどうか分かるよ。長友はみんなと非常に仲良くやっていたし、とてもチームに溶け込んでいた。日本人は優秀だからね。多くの日本人は親切で性格がいい。一般的に協調性があるし、チームを助けてくれるから、日本人とプレーするのは素晴らしいことだよ」
長友は2018年を最後にイタリアを離れ、トルコ、フランスを経て2021年に日本に戻ったが、長い月日が流れても長友の存在はイタリアの人々の記憶に深く刻まれているようだ。
(倉石千種 / Chigusa Kuraishi)
倉石千種
くらいし・ちぐさ/1990年よりイタリア在住。1998年に中田英寿がペルージャに移籍した時からセリエAやイタリア代表、W杯、CLをはじめ、中村俊輔、本田圭佑、長友佑都、吉田麻也、冨安健洋など日本人選手も取材。バッジョ、デル・ピエロ、トッティ、インザーギ、カカ、シェフチェンコなどビッグプレーヤーのインタビューも数多く手掛ける。サッカーのほか、水泳、スケート、テニスなど幅広く取材し、俳優ジョルジョ・アルベルタッツィ、女優イザベル・ユペール、監督ジュゼッペ・トルナトーレのインタビューも行った。