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中村俊輔とは別種「今までにいなかった選手」 17歳規格外ドリブラーの衝撃「今一番面白い」【インタビュー】
ドリブルデザイナー岡部氏が語る17歳ヤマルの凄み
岡部将和氏は“ドリブルデザイナー”として、日本代表選手をはじめ、数々の世界トッププレーヤーに自らが提唱するドリブル理論を伝えている。また、子供たちへの指導にも尽力しており、これまでも国内外で子供に向けたサッカー教室や講演を行っている。将来有望な若者の発掘・育成に励んでいる岡部氏が、今現在、世界で最も目を奪われている若手選手に挙げたのは、FCバルセロナのスペイン代表FWラミン・ヤマルだった。17歳になったばかりの超新星を「今までにいなかった選手」と表現した、その理由は――。(取材・文=城福達也)
◇ ◇ ◇
岡部氏は直近の活動として今年9月23日に、株式会社海帆とともに「Kaihan CUP 2024-Memorial Alfredo Casas-」をスペインで開催する。日本全国の小学生を対象に、U-8とU-10の代表選手をセレクションで11人選び、日本の代表チームとして構成。レアル・マドリードやバルセロナ、アトレティコ・マドリードなどに所属する同世代のユース選手も参戦する大会となる。
セレクションまでの移動費や滞在費、また大会参加の移動費と滞在費まで全額を運営側が負担といった前例にないサポート体制となっている。
これまで世界で築いてきた関係性を活かして日本の子供たちの夢を支える岡部氏だが、今現在、サッカー界で活躍する若手選手のなかで強烈な印象を抱くドリブラーについて尋ねると、「ドリブラーという観点で言うならば、(アスレティック・ビルバオ/スペイン代表FW)ニコ・ウィリアムズや(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ代表MF)ジャマル・ムシアラは非常に魅力的」と回答。そのうえで、「今一番見ていて本当に面白い。今までにいなかった選手」と舌を巻いたのは、欧州選手権(EURO)2024で全世界に衝撃を与えたスペイン代表の17歳ヤマルだ。
「寄せられればドリブルでかわすこともできるし、距離を置いてくれば、クロスとシュートの精度が極めて高い。これまでの時代は、クロッサーやチャンスメーカーにドリブルは求められなかった。逆にドリブラーは、ロングフィードのパスだったりを売りにすることはなかった。ヤマルはどちらの能力も備えているのがミソで、例えば中村俊輔さんはキックが上手いことを布石に意表を突く形でドリブルを選択するプレーもあった。そういった選手はこれまでもいた。一方でヤマルは、キックとドリブルが完全に同じレベルにある。こうなると、見ていても防ぎ方が分からない」
若かりし頃のアルゼンチン代表FWリオネル・メッシ(インテル・マイアミ)は、より対人で打開するドリブルに特化した選手だった。年を重ね、スピードが落ちるにつれ、すべてのプレーを高い水準で行うスタイルへと変化していった。しかし、ヤマルは17歳時点で、その領域に達し始めていると言っても過言ではない。
「ドリブラーとも言えるし、パサーとも言える。だが、そのどちらでもないとも言える。ヤマルはそんな斬新な選手。誰々の後継者という表現がよくされるなかで、実際にヤマルは誰の後継者にも当てはまらないと思う」と称えた岡部氏は、ヤマルが新たな選手像を築き上げることに期待していた。
[プロフィール]
岡部将和(おかべ・まさかず)/1983年8月1日生まれ、神奈川県出身。PREDATOR URAYASU FC SEGUNDO―バルドラール浦安―Laguna Playas de Salou(スペイン)―湘南ベルマーレ。2015年からドリブルデザイナーとしての活動を開始し、多くのプロ選手や子供たちにドリブルの指導を行う。YouTubeなどのSNSを通じて配信した動画の総再生回数は2億回を超える。
(城福達也 / Tatsuya Jofuku)