元日本代表MF「どこでもできる」 3758日ぶり古巣出場…“ウノ・ゼロ”を「勝ち点3以上に価値がある」と語る訳

浦和の原口元気【写真:轡田哲朗】
浦和の原口元気【写真:轡田哲朗】

浦和はG大阪に1-0で勝利…原口元気は途中出場

 浦和レッズは9月14日に行われたJ1リーグ第30節ガンバ大阪戦に1-0の勝利。後半31分から途中出場したMF原口元気は約10年、3758日ぶりに浦和での公式戦に出場した。ボランチに入って試合を締めくくると、「もしかしたら勝ち点3以上に価値がある」と、チームとしては約2か月半ぶりの勝利になった一戦について語った。

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 浦和は今季、ペア・マティアス・ヘグモ監督が率いてシーズンがスタートしていたが、成績が思うように伸びずに8月末に解任を決断。昨季チームを率いたものの退任していたマチェイ・スコルジャ氏が新監督として復帰し、9月7日のトレーニングから指揮を執っていた。そして、同じタイミングで原口は2014年6月にドイツ移籍してから10年ぶりに下部組織から育った古巣へと復帰していた。

 そして、前所属時から「弟のようにかわいがってきた」と話すMF関根貴大が先制ゴールを奪い1点リードした後半31分、スウェーデン代表MFサミュエル・グスタフソンとの交代で原口がピッチに立った。1点リードを守り切る試合展開だけに感傷に浸る余裕などはなく、「試合を終わらせることに集中した」というプレーで勝利に貢献した。これが、6月30日のジュビロ磐田戦に勝利して以来の勝ち点3だった。

 今季、浦和の成績が伸び悩んだ要因の1つに挙げられるのが試合終了間際など勝負どころで失点してしまうことだ。リードを守り切れない、同点から決勝ゴールを与えてしまうといった、最後のところで踏ん張り切れない試合が続いた。また、原口も所属チームが決まっていなかった6月に練習参加した際や、今月に入ってチームに合流したあとのチームについて、トレーニングのゲーム形式でもそのようなプレーが見受けられるとして、加入会見時に「その都度、言っていくこと」と改善について話していた。

 それでも、この日の浦和は最後の時間帯で同点を狙うG大阪の圧力に多少のピンチはあったものの守り切った。試合後に原口は「(チームの)流れを変える、こういう最後までゼロで粘り切るというのは必ず選手にとって自信になる。この成功によってやり方を理解していくと思うし、僕らにとって非常に大きな1勝、もしかしたら勝ち点3以上に価値がある1勝になるかもしれない。今後、こういう締めくくりができれば勝ち点を重ねていける。いい成功体験になったと思う」と話した。

 加入会見時には、10年前にプレーしていたのと同様に攻撃的なポジションでのプレーやゴールに絡むことを望んでいた。一方、スコルジャ監督はドイツで経験を積んできた原口について、「本人との話の中で、ここ何試合かは6番や8番、セントラルMFとして必要としているという話をした。スキルを持っていて、ピッチの中でも高いモチベーションを見せてくれている。周りの選手にも大きなサポートになるだろう。本日、ピッチ上で見せてくれたのは期待通りのものだった」と話している。

 原口自身は「自分の要望は前だけど、監督はまずは様子を見てボランチからやってくれと。正直、どこでもできるしボランチからでも前に出ていける。前に行った時に良さは出るし、ボランチからでも前に絡みたい」と話した。浦和は夏のウインドーでMF伊藤敦樹がベルギーへ移籍し、まさにこの位置から前線に飛び出していける人材が不足していたところでもある。

 浦和の次戦は9月21日にホーム埼玉スタジアムでFC東京との対戦になる。浦和のスタッフによれば原口の復帰発表からチケットの売れ行きの伸びがいいとされているが、10年ぶりに戻るホームゲームに向けて「満員の埼スタを期待している」という言葉を残していた。

(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)



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