森保Jは「相手に息をする暇を与えない」 元英代表MFがドイツ&スペイン撃破を評価「決して驚きではない」
元イングランド代表MFショーン・ライト・フィリップス氏が来日
来日中の元イングランド代表MFショーン・ライト・フィリップス氏が2022年のカタール・ワールドカップ(W杯)でドイツとスペインを撃破してベスト16入りするなど進境著しい日本代表について、「相手に息する暇を与えないチームだ」とそのクオリティーを称賛した。
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マンチェスター・シティはプレミアリーグ4連覇を記念した9月14日に渋谷ストリームホールでトロフィーツアーを開催。会場にはプレミアリーグ、FAコミュニティー・シールド、FIFAクラブ・ワールドカップ(W杯)の3つのトロフィーが展示されたほか、クラブマスコットのムーンチェスターも登場。ファンと一緒に記念撮影を楽しんでいた。
自身3度目の来日をとなったライト・フィリップス氏もトロフィーツアーの会場を訪れた。東京は9月に入っても猛暑日が続いているが、「全く問題ないよ。暑いのは大好きなんだ。イングランドに戻ったら雨と寒い日ばかりだから、ここで十分に光合成していきたいね(笑)」と日本滞在を満喫している様子だ。
そしてシティのレジェンドであるライト・フィリップス氏は、日本のサッカーに対してもポジティブな印象を抱いているようだ。森保ジャパンはカタールW杯でドイツとスペイン相手に勝利してベスト16に進出。2026年の北中米W杯に向けたアジア最終予選でも最初の2試合で12得点0失点と他を寄せ付けない強さを誇っている。「見ていると、日本は本当に素晴らしいチームになったと思います」とその印象を語っている。
「彼らは前線から積極的にプレシャーをかけ、相手に息をする暇を与えないようなスピード感のあるサッカーをしていると思います。ドイツやスペインに勝てたことも決して驚きではないですし、偶然ではW杯のベスト16に入ることはできません。だからこそ彼らにはイングランドやイタリアでプレーしている選手もこれだけ多くいるのだと思います」
シティに5連覇に死角なし「トロフィーは僕らの目の前で待っている」
多くの日本人選手が欧州でプレーするようになり、その名前は世界中に広がるようになった。その中でもフィリップ氏はイングランド1部ブライトンでプレーするMF三笘薫の名前を真っ先に挙げ、「三笘は本当に見るのが楽しみな選手。彼は見ている人が席から転げ落ちそうになるほどのワクワクをもたらしてくれる」と絶賛した。「シティに来てほしい日本人選手」としてもやはり三笘の名前を挙げるほど、そのプレーに惚れ込んでいる。
アーセナルのDF冨安健洋もプレミアリーグで着実に実績を積み上げており、三笘と同様に気に掛かけている選手の1人のようだ。「冨安は1対1の守備は本当に素晴らしい」とそのディフェンス力の高さを評価。そのうえで、「アーセナルには(イングランド代表DF)ベン・ホワイトという優れたライトバックがいますし、彼は残念ながら怪我をしてしまいました。これを乗り越えて、どのような活躍をするのか注目しています」と負傷離脱からの再起に期待を懸けていた。
また、シティの女子チームには今季MF藤野あおば、GK山下杏也加、DF清水梨紗が新加入し、MF長谷川唯も含めて日本人選手は計4人となった。「美しいプレーをする」と長谷川を称えると同時に、「残念ながらリサ(清水)は大きな怪我をしてしまいましたが、彼女たち(新加入の3人)がシティというチームに適応し、長谷川のようにチームに大きな影響を与える活躍をしてくれることを願っています」となでしこたちにエールを送った。
三笘と冨安、そしてMF鎌田大地(クリスタル・パレス)、MF遠藤航(リバプール)、DF菅原由勢(サウサンプトン)も含めて計5人の日本人選手がプレーするプレミアリーグは、現在シティが4連覇中と絶対的な強さを示している。
リーグ5連覇を目指す今季のシティについても聞くと、ライト・フィリップス氏は「(フリアン・)アルバレスが抜けてしまったことは残念ですが、新しくサビーニョを獲得し、(イルカイ・)ギュンドアンも戻ってきました。昨シーズンから大きく変わったわけではありませんが、ペップ・グアルディオラ監督が率いるチームに隙はないと思います」と笑みを浮かべた。
その中でもフランスのトロワから加入した20歳のブラジル代表FWサビーニョを今季の最注目選手に選び、「(プレミアリーグ開幕戦)チェルシー戦では最高のレフトバック(マルク・ククレジャ)と対戦しましたが、まるで相手がそこにいないかのような素晴らしい活躍を見せてくれました。このまま成長を続ければ間違いなく最高の選手になってくれると思います」と話していた。
タイトルを争うライバルクラブとしては2年連続2位のアーセナルとアルネ・スロット監督が率いるリバプールの2チームを挙げつつも、「シティに弱点はありません。トロフィーは僕らの前で待ってくれています」と自信満々に語っていた。
(石川 遼 / Ryo Ishikawa)