退団から1か月弱の再会…26歳の胸中、降格危機の古巣を「考えないほうがいいと思った」

古巣・鳥栖戦に出場した河原創【写真:徳原隆元】
古巣・鳥栖戦に出場した河原創【写真:徳原隆元】

今夏鳥栖から川崎へ移籍、MF河原創が迎えた古巣対決

 川崎フロンターレは9月13日、J1リーグ第30節でサガン鳥栖と対戦し、3-2で勝利を収めた。先月8月20日に鳥栖から川崎へと移籍した26歳MF河原創にとっては、1か月も経たないなかでの古巣対決となり、川崎の勝利により鳥栖がさらに降格へと迫る結果となったが、「そのことは考えないほうがいいと思って試合に向かった」と語っている。

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 河原は昨季鳥栖で初のJ1挑戦となったなかで、走行距離でリーグ1位を記録。ピッチを縦横無尽に走り回る日本屈指のダイナモへと飛躍を遂げた一方、2022シーズンには当時所属していたJ2ロアッソ熊本で12アシストを残しており、得点を演出するパス配給のレベルも高い。川崎にとっては起死回生の鍵となる重要戦力の獲得に成功したのに対し、鳥栖にとってはチームの中心選手を失う痛恨の放出となった。

 この試合でも、河原の存在が明確な差となってピッチに浮き彫りとなる。川崎はシステム上、4-2-3-1の布陣となっているが、河原の無尽蔵なカバーリングにより、MF大島僚太が高い位置を取ることができ、大島のアシストからMF橘田健人の先制点が生まれた。一方、鳥栖の視点で見ると、自陣ペナルティーエリア手前のスペースをガラ空きにしていたことで、フリーの橘田に余裕を持って力強いミドルシュートを打ち込まれる羽目になった。

 3-2で勝利した試合後に囲み取材に応じた河原は、古巣との対戦について「個人的には(古巣対決は)考えずに臨んだつもりだし、チームが勝つために自分がどうすればいいかだけを考えた」と振り返った。互いの特徴を熟知し合う戦いとなったが、「やりづらさはなかった」としつつ、降格が迫る鳥栖については「そのことは考えないほうがいいと思って試合に向かった」と胸の内を明かしている。

 この日の結果により、連敗を喫していた川崎にとっては残留争いから抜け出す重要な勝ち点3の獲得となり、3か月勝利のない鳥栖にとっては残留がより一層厳しくなる敗戦となった。河原という戦力の移籍は、両チームにとっての分岐点となったのかもしれない。

(城福達也 / Tatsuya Jofuku)



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