森保J、9月シリーズで格差拡大の「主力組とサブ組」 W杯本大会に向け“2チーム”が「必要」

スタメン組とベンチ組で差が開いた9月シリーズに【写真:徳原隆元】
スタメン組とベンチ組で差が開いた9月シリーズに【写真:徳原隆元】

森保監督は2試合でスタメン1人のみ変更

 森保一監督率いる日本代表は9月10日、アウェーで北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選でバーレーンと対戦し、5-0の勝利を収めた。7-0で圧勝した中国戦に続いて連勝スタート。今シリーズは27人を招集し、2戦で先発の変更は1人のみだった。ベンチ外メンバー4人も2試合連続で同じ、“層”が厚く激しいポジション争いが見られた。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)

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 中国戦、バーレーン戦でのスタメン変更はMF久保建英→MF鎌田大地の1人のみ。森保監督が6月シリーズに「オプション」として臨んでいた両翼が攻撃的な3バックを通して採用し、システムの戦術を深めた。スタメンはほとんど同じで、何よりベンチ外メンバー4人にとっては厳しい序列を突き付けられた。

 要の両翼はMF三笘薫が復帰し、左のウイングバックに定着。三笘の不在時に大活躍したMF中村敬斗、運動量あるMF前田大然もチャンスがあるがスーパーサブの立ち位置だろう。右ウイングバックはMF堂安律からMF伊東純也へバトンが受け継がれ、相手の守備陣にかなり脅威になった。一方でDF菅原由勢は所属クラブのイングランド1部サウサンプトンでウイングバックも務めているなか、2人の間に割って入る武器を磨いて名乗りを上げてほしい。4バック時は絶対に欠かせない存在だけに2戦出場なしをバネにするはず。

 ボランチ2人も定番。MF遠藤航とMF守田英正。特に守田は中国戦、バーレーン戦ともに絶妙なポジショニング、攻守において気の利いた位置取りでコンディションの良さも明らかだった。遠藤主将はイングランド1部リバプールでどれだけ出場時間を得られるかが今後のカギ。10月シリーズのサウジアラビア、オーストラリア連戦は最終予選の最大の山場でもあるため、英2部リーズへ移籍したMF田中碧含め、最高のコンディションで迎えたい。

 シャドーの組み合わせもほかにまだまだ見たかったが、2戦連続で出場したMF南野拓実への信頼は窺えた。黒子に徹して個に秀でる両翼を生かす動き、自らもフィニッシャーとして高い精度を誇り調子の良さが前面に出た。久保、鎌田らに続いて、ベンチ外で悔しい思いをしたMF旗手怜央、FW浅野拓磨らがもうひと頑張りしたいところ。

 FWは上田綺世が絶対エースとしてまた1歩近づいた。何よりメンタルの強さ、PKの上手さ、バーレーン戦での働きは見事だった。途中出場で結果を出した小川航基と2戦連続でベンチ外だった細谷真大の差はまだ大きいか。

 最終ラインはDF冨安健洋、DF伊藤洋輝が復帰してポジション争いが激化する。今回3バックを組んだ3人ともハイパフォーマンスだったため、最終予選通してベストな組み合わせを探っていきたい。

 今シリーズは中国、バーレーンと2戦12発で倒せるほど格下の相手でもあった。10月はアウェー・サウジアラビア戦も控えているため、そう簡単にはいかないだろう。今回開いた主力組とベンチ組の差は総力戦で埋める必要がある。またW杯本大会に向けては“2チーム作り”のターンオーバーも必要になってくる。突破を決める前の段階で思い切ったメンバー変更も期待したい。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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