大久保に訪れた悪戯な運命 古巣の川崎戦で決めた初ゴールに「マジで謝らないといけない」

「普通、古巣に決めた時は…」

「普通、古巣に決めた時は全く喜ばない。そういう時に限って(川崎相手に初ゴールを決めて)ああいうことをしてしまって、そこは本当に謝らないといけない」

 大久保にとっては、サッカーの神様から与えられた、少し悪戯な運命になったのは確かだろう。試合直前の選手紹介で、“FC東京の”大久保が呼ばれた際、川崎のサポーターは万雷の拍手を送った。ライバルへの移籍を決断した背番号「13」に対してブーイングを浴びせず、「キミのいないカワサキを光らせる」と愛ある挑戦状を叩きつける姿には、川崎と大久保が4年間で築き上げた堅い絆が感じられた。

 試合後、FW小林悠とユニフォーム交換したことについては、「ずっと前から、悠が換えたいと言っていたので」と、約2カ月半前まで前線でコンビを組んでいた相棒とのやりとりも明かした。“青赤のエース”として大きな一歩を踏み出した大久保だが、新たな得点源の確立に向けて苦戦を強いられている古巣を気遣ってか、最後まで恐縮しきりだった。

【了】

城福達也●文 text by Tatsuya Jofuku

フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football ZONE web

 

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