久保建英を中心に…日本代表“2シャドー”最適解は? 快速FWとは未知数…ロマンタッグ&鎌田も面白い

【写真:徳原隆元】
【写真:徳原隆元】

久保の存在を中心に南野、鎌田、浅野、三笘との組み合わせを考える

 森保一監督が率いる日本代表は現地時間9月8日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第2戦バーレーン戦へ向けトレーニングを実施した。18時開始予定だった練習は10分巻きでスタートしたなか、MF久保建英(レアル・ソシエダ)も軽快な動きを披露。“黒子”役にもなれる久保の存在を中心とし、中国戦でポジティブな要素を掴んだ日本代表の3バックシステムにおいて、“2シャドー”の最適解を考える。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也)

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 日本は5日の中国戦(7-0)で3-4-2-1システムを採用。久保が2シャドーの一角を担い、相方には南野が入り両者フル出場した。この試合の前日会見では、久保が中央で「黒子の役割」も担うといった考えも明かしている。そんな中国戦では久保がゲームメイク役となり、左右の選手を生かす場面も。一方で南野も得意とするライン間へ顔を出す動き継続し続け、味方にスペースを作りながら後半に自身も2ゴールをゲット。久保も終盤に前線へ上がり、豪快な一発を叩き込んでいる。相手との実力差ももちろん考慮しなければならないが、この試合だけを見ればフル出場した久保、南野のタッグは十分に機能したと言っていいだろう。

 より厳しい戦いが予想される敵地バーレーン戦で同システムを採用した場合、“タレント揃い”となる日本の2列目において2シャドーの組み合わせは何通りもの可能性を残す。今回は選手の声も参照にしつつ、南野に加えMF鎌田大地(クリスタル・パレス)、FW浅野拓磨(マジョルカ)、MF三笘薫(ブライトン)といった組み合わせについて考えていく。

 まずは中国戦で出番のなかった鎌田。新天地となったイングランド1部クリスタル・パレスでも2シャドーの一角を担っている。6月のミャンマー戦(アジア2次予選/5-0)では堂安律とのコンビで代表の同ポジションを経験。その際は「心地いいと感じる」と本人も話していた。もし久保と組んだ場合は、鎌田が相方をより生かす場面が増えるかもしれない。久保がより前線に顔を出すなど相乗効果が生まれそうだ。

 浅野は「シャドーも、ウイングも、どこでも可能性はある。どこで出ても、やれると言う自信はあります」と、8日の練習後に回答。また「サンフレッチェ広島時代にも1トップ2シャドー(のシステムで)、ワントップでも、シャドーでもプレーしていた。どちらかと言うと得意と言う分野ではないですけど、でもそこから自分の良さを出せるポジションかなと思う」とポジティブな捉え方をしている。

 また浅野は「スペースに飛び出すところと言うのは、間違いなくこの日本代表でも、自分のストロングポイントだと思っています。その状況が試合によって、少ない場合はあると思うのであまり得意としていないプレーでも、どんどんどんどんチャレンジすることが必要かなと。自分の強いところで勝負したい」と話す。久保とのタッグは未知数だが、今季スペイン1部マジョルカへと渡った浅野が新たな形を見せるか。

 一方の三笘はこれまで左サイドで出場する機会が圧倒的に多い。だが久保と中央で組む2シャドーも可能性としては0ではない。久保は以前、MF伊東純也(スタッド・ランス)、三笘と同時にピッチに立てば「ロマンがある」と発言もしている。ほかにもタレント豊富な日本代表には、中国戦で右ウイングバックとして出場した堂安、さまざまなポジションをハイレベルでこなすMF旗手怜央(セルティック)も久保とのシャドーを試すことができるだろう。

 8日の公開トレーニング(約15分)では、久保が鳥かご(ボール回し)の合間で挟んだストレッチで浅野と軽く会話を交わす瞬間もあった。ただの談笑だったかもしれないが、そうしたコミュニケーションは試合の連係でも生かされてくるはず。相乗効果期待の久保×鎌田、“未知数”な久保×浅野、ロマンあふれる久保×三笘のタッグはそれぞれ面白い組み合わせかもしれない。

(FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko)



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