日本代表192cm新人が感じる高い壁「簡単ではない」 真摯な姿勢から狙う代表デビュー「試合に出たい」
望月が感じた代表のセットプレー、デビューした高井の印象を明かす
森保一監督率いる日本代表は現地時間9月7日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の第2戦バーレーン戦へ向けてトレーニングを再開した。今回A代表初招集となったDF望月ヘンリー海輝(FC町田ゼルビア)は、慣れないアウェーの地で戸惑いながらも先輩たちに支えられ、経験値を積み上げている。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也)
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9月5日のホーム中国戦はベンチ外だった望月。試合後に敵地へ移動、現地6日にはジムでリカバリートレーニングを行うハードスケジュールを体感している。7日のトレーニングではメディア向けに開始15分、ラスト15分が公開に。日没後も30度を超え、肌に服がまとわりつくような暑さのなか、今夏町田加入のDF中山雄太とともに実戦向きのミニゲームで奮闘する姿もあった。
「やっぱりもちろん試合に出たいという思いはありますけど、そう簡単ではないので」
全体練習後にハイボールの対処を何度も確かめ、汗を流した望月はA代表のピッチに立つことへの難しさを感じている。「トラップだったりパスだったり、声かけだったりとか。そういうものに対する質の高さ」に驚きを隠さず、「(緊張)まだしていますね。町田でも緊張しています。いまだに」と取材陣の笑いを誘うと「ここでもそれ(クラブ)以上に緊張はしています」と素直な思いを口にした。
9月シリーズで初招集となったのは望月と、パリ五輪代表で活躍したDF高井幸大(川崎フロンターレ)の2人のみ。特に望月は今シーズンJ1を初めて戦う“大卒ルーキー”だ。本人が話すように、まだこわばった表情を見せるも、アウェー戦に向けて「経験したことがなかったので簡単ではないです。ただこれが代表の動き方、基準だと思うので、そこに合わせていきたい」と静かに闘志も燃やす。
一方、セットプレーを得意とする町田でロングスローを担当する望月に代表のセットプレーについて尋ねると「代表は時間も限られているので、そのなかで完璧とはいかずともみんなの質などで補いながらやったことが今回(中国戦)の先制点につながったのかな、と。(準備の段階で)映像も、スクリーンも使いましたし、代表だからといって特別なことをやっている僕は感じなかった。シンプルに忠実に、みんながやっていることを確実にやっているなという感じですね」と自身の見解を語った。
遠藤航がコーナーキックから頭で合わせた一発を皮切りに、日本は中国戦で大量7得点のゴールラッシュ。この試合で20歳になったばかりの高井が途中出場から一足先にA代表デビューを飾った。7日の練習後には2人で居残り練習に勤しむ様子もあったが、「出場時の話はしたか?」と聞くと「いや、特にしてないですね。彼はなんか飄々としていた」と独特な雰囲気を持つセンターバック(CB)の印象を話す。
「ぬるっとピッチに入っていったので、大一番で流れを崩さずにやったというのは凄いと尊敬しています」
高井の話で少し取材陣と打ち解けたのか、表情が気持ち柔らかくなった望月。町田OBの元日本代表DF太田宏介氏も、将来は「日本代表史上最強のサイドバック(SB)になる」と太鼓判を押す“逸材”は「練習1つ1つから、終わったあともそうですけど、出られる準備、そのこの遠征が終わったあとに向けての準備をしていこうかなと思います」と冷静だ。192センチのロマンあふれるSBは、今ある「緊張」を力に変えて来たるべき出番を待っている。
(FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko)