J1含む6クラブ争奪戦…強豪校180cm逸材がプロ内定 “ハイスペック10番”が選んだ進路

大津・嶋本悠大【写真:FOOTBALL ZONE編集部】
大津・嶋本悠大【写真:FOOTBALL ZONE編集部】

プロのスカウト熱視線、大津高校MF嶋本悠大が抱く思い

 複数のJスカウトから熱視線を浴び、晴れて清水エスパルス入りが内定した。大津高校(熊本)のボランチ、トップ下を務める3年生MF嶋本悠大は、180cmのサイズを持ち、抜群のキープ力と長短の正確なパスが魅力。そしてフィジカルの強さとスピードを生かしたドリブルで中央からの打開力は全国でもトップクラスと言える。

 街クラブのブレイズ熊本でプレーした中学時代はスピードと打開力を評価されて左サイドバック(SB)をやっていたが、憧れていた地元の大津高に入ってからは自ら志願をしてボランチにコンバートした経緯がある。

「僕はボールをもっと触りたい選手なのですが、左SBだとボールがあまり触れないですし、SBでも縦、縦というよりタイミングを見て中に入ってビルドアップに参加するようなタイプでした。なので、ずっと中央をやりたいと思っていました」

 山城朋大監督に自分の気持ちを伝えた時、「俺もボランチがいいと思っていた」と意見が一致。指揮官から「よりボールに関わって、攻守において存在感を放ってほしい」と高い要求を受け、その期待に応えるべく彼は技術とフィジカルを磨いた。

 さらに高校に入って急激に身長が伸び、180cmのサイズを手にしたことでよりスケール感が増すと、今年からはトップ下での起用も増えた。

「山城監督からは『もっとアシストやゴールにこだわれ』と言われ、より意識するようになりました。今はその引き出しを増やしているところです」

 インターハイ後の和倉ユースサッカーフェスティバルで嶋本はこう口にしていたように、この大会では裏に抜け出したり、積極的にクロスに飛び込んだりと、ゴールへの執着心と前への推進力を見せていた。

 高さ、うまさ、強さを兼ね揃え、リズムメイクもできて個でも打開できる。このハイスペックな素材をJクラブが放っておくはずがない。プレミアリーグWESTで首位を飾るチームの攻撃の中枢として君臨する彼のもとには、複数のJクラブから練習参加の打診が届いた。

 その中で嶋本はJ1、J2の6クラブの練習に参加し、「高卒プロ志望であることに変わりはないので、自分としっかりと向き合って決めたいと思います」と語っていたなか、数ある正式オファーを受けたうえで、清水入りを決断した。

 プロで戦う覚悟はもうすでにできている。だからこそ、「なんでもできる選手になりたい。そのなかで2冠を達成し、上のレベルで戦っていける選手になっていきたい」と口にするように、高校最後のプレミア、選手権で悲願の初優勝を勝ち獲ることを最大の目標に据える。

 高校卒業後、その先の舞台で活躍できる選手になるために――。彼は今、自分が何をすべきかを常に考え、成長への意欲に満ちあふれている。

(FOOTBALL ZONE編集部)



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