森保J、中国戦出場全16選手「パフォーマンス査定」 伊東&久保が“満点評価”…唯一のアピール不足は?
中国戦の出場メンバー16選手を5段階査定
森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング18位)は9月5日、ホームで行われた2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の初戦で中国(同87位)と対戦し、7-0で勝利した。大量7ゴールは最終予選で最多得点となった。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
2次予選を無敗で通過した日本は、8.5枠へと広がったアジア枠を懸けて最終予選がスタート。初戦である中国戦では3バックを採用し、左WB(ウイングバック)にMF三笘薫、右WBにMF堂安律、シャドーにMF南野拓実、MF久保建英、最前線にFW上田綺世を配置し、超攻撃的な布陣を送り込んだ。
試合は前半12分、久保のコーナーキック(CK)をMF遠藤航がヘディングで叩き込み先制すると、同アディショナルタイムには堂安のクロスから三笘がヘディングで合わせ、追加点を決めた。後半7分には南野が個人技の突破からペナルティーエリア左に侵入してゴールを奪うと、同13分にもグラウンダーのシュートをゴール右に流し込み、連続得点を記録。同32分には伊東純也、同42分にはFW前田大然の途中出場組がネットを揺らし、同アディショナルタイムには久保が強烈なシュートを突き刺し、7-0の圧勝劇で試合を締め括った。
ここでは各選手たちのパフォーマンスを振り返るべく、出場16選手を5段階評価(最高が5つ星★★★★★)で査定する。(取材・文=FOOTBALL ZONE編集部・小杉舞)
◇ ◇ ◇
<GK>
■鈴木彩艶(パルマ)=★★★☆☆
ほとんどボールが飛んでこず。終盤のバックパス処理が最大の見せ場だった。最終予選で守護神の立ち位置を確立するためには、敵地バーレーン戦前にもう少しプレーしたかったのが本音か。
<DF>
■谷口彰悟(シント=トロイデン)=★★★☆☆
攻撃的な3バックが実現したのも最終ラインが強固だからこそ。危なげない守備で7ゴールで“影の立役者”に。精度の高いフィードで冨安&伊藤の不在を感じさせなかった。
■板倉 滉(ボルシアMG)=★★★★☆(→後半26分OUT)
要所で堂安や久保へ相手を欺く絶妙なパスを供給。攻撃参加で決定機を作り出した。守っては高さある相手FWを跳ね返し、アジアカップの反省を生かした。
■町田浩樹(ロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズ)=★★★★☆
3バックの左で光ったのが広い視野。三笘との縦関係も良く、うしろの2人とも好連係。鋭いパスを入れようと積極性を出せていた。先制点の場面では遠藤をフリーにさせようと身体を張っていた。
■高井幸大(川崎フロンターレ)=★★★☆☆(←後半26分IN)
前日4日に20歳を迎えたばかりで期待を背負った代表デビュー。パリ五輪でも見せていた冷静さを発揮。カウンターを受けてもしっかり潰して対応した。“大物”誕生の予感。
<MF>
■守田英正(スポルティング)=★★★☆☆
ボックス内に入って前へ前へ、強烈な個を持つ攻撃陣に絡んでいた。完璧に久保へつけたパスではセンスを感じさせた。アンカーも◎。
■遠藤 航(リバプール)=★★★★☆(→後半26分OUT)
苦境打破にはキャプテンの一撃。コーナーキックで少しためてから完全フリーになり、頭でズドン。最終予選の初戦で流れを掴み取った頼りになる男。
■田中 碧(リーズ)=★★★☆☆(←後半26分IN)
相手にとっては苦しい時間帯で幅広いポジションを取れる田中の投入はさぞかし嫌だっただろう。出足の早さでセカンドボールを回収。田中は参加していなかったアジア杯で出た課題の克服法を“体現”。
■三笘 薫(ブライトン)=★★★★☆(→後半18分OUT)
立ち上がりでいきなり脅威に。中国DF陣を置き去りにするドリブルですぐさまペナルティーエリア内に入っていく。最高の時間帯で復帰弾。文句なしの仕事ぶり。
■伊東純也(スタッド・ランス)=★★★★★(←後半18分IN)
これまで聞いたことのないような大歓声が会場を包んだ。ピッチ脇に立ち、1タッチでスタンドが沸く。途中出場の短い時間で1ゴール2アシスト。森保ジャパンのストロングが帰って来た。
前線には高評価ズラリ…中でもMOMは南野拓実
<MF>
■堂安 律(フライブルク)=★★★★★(→後半18分OUT)
気を利かせて久保を生かすポジション取り。中、外を使い分けて相手DFは2人の連係に惑わされていた。ピンポイントクロスで三笘弾をアシスト。ウイングバック起用は監督から信頼の表れ。
■前田大然(セルティック)=★★★☆☆(←後半18分IN)
中国にトドメを刺したゴール。飛び込むタイミングも抜群。“槍”の左ウイングバックで翻弄し、相手を疲弊させていた。
■南野拓実(ASモナコ)=★★★★★
オフ・ザ・ボールでの献身的な走りで三笘のスペースを作り出す。三笘が違いを出せていたのは“黒子”に徹していた南野の動きがあったから。そう思えばシュートの上手さを見せてフィニッシュも完璧。2ゴールなら“黒子”でもない、主役だ。MOM。
■久保建英(レアル・ソシエダ)=★★★★★
先制点を演出したコーナーキックの精度の高さ。さすがのキックだった。堂安との“かく乱作戦”は大成功で、周囲を生かすプレーでフル出場。最後にはご褒美のゴールが待っていた。
<FW>
■上田綺世(フェイエノールト)=★★☆☆☆(→後半35分OUT)
ポストプレーからのつぶれで1アシスト。前線からのプレスもサンドバックのように効いていた。欲を言えば結果がほしかった。
■小川航基(NEC)=※出場時間短く採点なし(←後半35分IN)
アディショナルタイムにはバーを叩く惜しいシュート。貪欲に狙い続ける“ギラギラ”さは見せた。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)