日本が中国に7-0の圧勝、中村憲剛氏が見た勝因

　森保一監督が率いる日本代表（FIFAランキング18位）は9月5日、2026年北中米ワールドカップ（W杯）アジア最終予選の初戦で中国（同87位）と対戦し、7-0の圧勝を収めた。スポーツチャンネル「DAZN」でこの試合の解説を務めた元日本代表MF中村憲剛氏は、中国戦で日本が採用した“超攻撃的5トップ”について「守りようがない」と絶賛。キーワードに「三笘の引力」を挙げ、「ゲームの作り方が左右非対称なのがいい」と見解を述べている。

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　2次予選を無敗で通過して最終予選の臨む日本は、負傷によりDF伊藤洋輝（バイエルン・ミュンヘン）とDF冨安健洋（アーセナル）が招集メンバーから外れた一方、MF三笘薫、MF伊東純也が約7か月ぶりに復帰を果たした。中国戦では3バックシステムを採用し、左WG（ウイングバック）に三笘、右WGにMF堂安律、シャドーにMF南野拓実、MF久保建英、最前線にFW上田綺世を配置した。

　試合は前半12分、久保のCK（コーナーキック）をMF遠藤航がヘディングで叩き込み先制すると、同アディショナルタイムには堂安のクロスから三笘がヘディングでファーに合わせ、追加点を決めた。後半7分には南野が個人技の突破からペナルティーエリア左に侵入してゴールを奪うと、同13分にもグラウンダーのシュートをゴール右に流し込み、連続得点を記録。同32分には伊東、同42分にはFW前田大然がネットを揺らすと、同アディショナルタイムには久保が強烈なシュートを突き刺し、7-0の圧勝劇で試合を締め括った。

　この日「DAZN」で解説を務めた中村氏は、中国相手に猛威を振るった“超攻撃的5トップ”を「守りようがない」と絶賛。特に三笘は相手2人が守備対応していたなかでも容赦のないドリブル突破で打開していた。中村氏は「三笘には引力がある」と表現し、「中国からすると日本の左サイドにスライドしなければならない、右サイドが空いて数的有利な状況になる」と、三笘の個の力に引っ張られる形で逆サイドでチャンスを創出できる展開を紐解いていた。

　また、「左サイドと右サイドでゲームの作り方が左右非対称なのがいい」と、縦に突破する三笘、カットインでゴールに迫る久保と堂安といった構図が日本の武器となっていると主張。後半に入ると中国が5バックに変更してきたが、「前線に5枚が並ぶ日本の形に、4バックの中国が対応できなかった。なので、5枚に対して、5枚で合わせてきた」と解説し、「5枚と5枚になるということは、1対1を制すれば一気にチャンスが巡ってくるということ」と見解を述べ、そのとおりに後半も怒涛のゴールラッシュで日本が圧倒的な実力でねじ伏せることになった。