中国は「以前は意図的に削りに来ていた」 日本代表OBが言及…感じた“悪”からの変化

森保ジャパンに大敗を喫した中国代表【写真:Getty Images】
森保ジャパンに大敗を喫した中国代表【写真:Getty Images】

【専門家の目|栗原勇蔵】中国はイエローカード3枚も、意図的には削りに来ていない

 森保一監督率いる日本代表(FIFAランキング18位)は、9月5日に行われた北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の初戦で中国(同87位)相手に7-0と快勝した。主力選手が、中国から足裏タックルや肘打ちを受けるシーンこそあったが、元日本代表DF栗原勇蔵氏は「激しく戦うなかでの、許容範囲内のラフプレー」と見解を述べている。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部)

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 森保ジャパンは前半12分、MF久保建英のコーナーキック(CK)を完全にフリーとなったMF遠藤航がヘディングで叩き込んで先制すると、同アディショナルタイムにはMF堂安律のクロスからMF三笘薫が鮮やかなヘディングで合わせ、追加点を奪って2-0で試合を折り返した。

 後半7分にはMF南野拓実が個人技の突破からペナルティーエリア左に侵入してゴールを挙げると、同13分にもグラウンダーのシュートをゴール右に流し込み、連続得点を記録。さらに同32分には途中出場のMF伊東純也、同42分にはFW前田大然がネットを揺らし、同アディショナルタイムには久保が強烈なシュートで締めくくり、7-0と圧勝した。

 ボール支配率72.7%対27.3%、シュート15対1と圧倒した日本。一方、中国には計3枚のイエローカードが出された。

 前半18分、敵陣でボールをカットした南野がドリブルを仕掛け、ゴールライン際で折り返しを狙うと、中国DFヤン・ゼーシャンが鋭いタックルを敢行。左足裏が南野の左足首付近をヒットし、南野はしばらく痛みで立ち上がれなかった。また、前半39分には攻撃に転じた中国にDF板倉滉が対応した際、FWジャン・ユーニンの右肘が板倉の顔面を直撃。このプレーでジャン・ユーニンにイエローカードが提示された。

 2013年7月のE-1選手権で中国と対戦した経験を持ち、横浜F・マリノスの一員としてAFCチャンピオンズリーグ(ACL)で中国のクラブと幾度となく対峙した日本代表OB栗原氏は、「荒い場面はありましたけど、昔のような意図的なラフプレーではなかった」と見解を述べる。

「激しくて足裏とか肘でのプレーはありましたけど、プレー後に謝罪の気持ちは見られたので昔とは明らかに違います。以前は意図的に削りに来ていたし、ACLで中国のチームと対戦した時も、『何がいけないの?』という感じで、不気味な怖さがあった。やっていいことと悪いことの区別がつかない感じで、怪我が怖いレベル。あのようなプレーをする選手は減っている気がする。VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)があるのも大きいんでしょうけどね」

 栗原氏は、中国サッカーや選手は「いろんな意味で変わった」とし、「相手を負傷させるような意図的なプレーはない。それをやったらVARで退場になりますから。あれくらいのプレーはいくらでもあるし、許容範囲内のラフプレーだと思います」と感想を口にしていた。

(FOOTBALL ZONE編集部)

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