衝撃の初戦黒星から3年…日本が「アジアをよく知る監督」と再戦へ 選手語る一手「3バック武器に」
アジア最終予選で中国と対戦…監督は前回大会でオマーンを率いたイバンコビッチ監督
森保一監督が率いる日本代表は9月5日、2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の初戦で中国と対戦する。埼玉スタジアムで行われるホーム戦を前に、選手たちの口からも“前回大会”の悔しさが滲み出ていた。
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日本代表は今大会、アジア2次予選を無敗で通過。北中米W杯出場を懸けて、9月の最終予選2連戦で5日の中国戦(埼玉)、11日のバーレーン戦(リファー)に挑む。千葉県内で合宿し、試合を前日に控えた4日の取材に登場した谷口は、「初戦の難しさについてはかなり感じていますし、同じようなことをしちゃいけない」と、カタールW杯アジア最終予選の初戦を思い起こす。
2021年9月2日、前回大会の初戦の相手はオマーンだった。日本は後半43分の失点が響き0-1でまさかの黒星。第2節の中国戦は2-0で勝利したものの、第3節のサウジアラビア戦で2敗目(0-1)を喫するなど、厳しい戦いとなってしまった。
その後は勝利を重ねカタールへの切符を手にした日本だが、当時オマーンを率いていたブランコ・イバンコビッチ監督は、奇しくも今回の対戦相手・中国の指揮官として立ちはだかる。
谷口は、3年前のカタール大会最終予選の序盤戦は不参加。22年11月以降の後半戦で日本の予選突破に貢献した。そんな谷口もイバンコビッチ監督について「アジアをよく知る監督というイメージがあります」と警戒。「前回オマーンも相当いいチームだったので、手ごわい相手になると思います」と、気持ちを引き締める。
「僕らのズレを逆手に取ってくるようなことは間違いなくやってくるので、ピッチ内の修正力はものすごい大事。経験のある選手もたくさんいますし、ピッチ内でコミュニケーションを皆取れるので、ゲームの状況に合わせて外からの声と、中から修正する力は今このチームの強みだと思っています。できるだけ早く見極めながら、常に先手を取りながらゲームを進めたいです」
一方、前回大会の最終予選で終盤2試合の出場にとどまっていたFW前田大然も「ミーティングで(前回大会の話が)結構出てきますし、テレビとか日本に帰ってきて見ていると、やっぱりどうしても話題に出てきますよね。内容どうこうより、やっぱり勝たないと」と、気合を入れる。
代表戦士の間でも話題に挙がる過去の記憶。前田は「前回負けて、3戦目で負けて、普通だったらそんな簡単に上がれない。今回もそういう風になってしまうと、上がれないぞみたいな話が(森保監督から)ありました」と、指揮官も教訓として話していたことも明かす。そのうえで「(3年前から)僕自身も成長しています。攻撃の部分でもっと違いを見せていかないと」と、ハードワークの守備に加えて攻撃面での進化を見せたい思いを語った。
今年6月の2次予選ミャンマー戦(5-0)、シリア戦(5-0)では3バックと4バック両フォーメーションを試した森保ジャパン。一方でユーティリティー性を持つ冨安健洋(アーセナル)が怪我で不在となる。新戦力として高井幸大(川崎フロンターレ)や大卒ルーキーの望月ヘンリー海輝(FC町田ゼルビア)が加わった。今回はどういった陣容でスタートするのかにも注目が集まる。
谷口も「前回3バックにチャレンジして、できたところと課題も多少見つかった。それをまたアップデートできたら。みんながいいディスカッションしながら高め合っているところなので武器になっていけるかなと」と、手応えを明かす。現在の森保ジャパンには、3年前の悔しい経験を経た選手が多く召集されている。“初戦の大事さ”を実感してきた選手たちだからこそ、ホームで迎える中国戦は気の引き締まる思いのはずだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko)