伊東純也のサブで「当時はイライラ」 もがき苦しんだ最終予選…アジア知る10番が危惧「泥臭くても」
堂安律は自身2度目の最終予選に臨む
森保一監督率いる日本代表は9月3日、北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の初戦・中国戦(5日=埼玉)に向けて27人全員が集合。自身2度目の最終予選に臨む背番号10のMF堂安律(フライブルク)はアジアでの戦い方について熱弁した。
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いよいよ始まる最終予選。日本は現在、過去2大会で黒星スタートを切っており、初戦の中国戦へは大きな重圧もかかる。前回のカタールW杯最終予選オマーン戦(0-1)では途中出場した堂安。初戦の厳しさは痛感している。
「飛行機の中から自分の中で前回の最終戦を振り返りながら、自分自身甘かった。若かったなと思うところはたくさんありますし、技術とかは間違いなく日本が勝っていると思っている。そこじゃなくて、やっぱりアプローチのところ、試合までの入り方の準備とか、しっかり抜け目なくやっていく必要があると思う。アジアカップで学んだこともたくさんあるので、もちろん圧勝できれば最高ですけど、1-0でもいいと思っているのでしっかり勝ち点3をこだわって取りたい」
前回は0-0の後半18分からMF伊東純也に代わってピッチに立った。当時23歳。W杯に出場するため、日本代表で定位置を取ろうと必死だった。堂安はサブの立ち位置だった一方で、右サイドの主力だった伊東は4試合連続ゴールなどでチームを勝利に導く。その“差”にもがいていた。
「単純に実力が足りなかったと思っていますし、得点、アシストもなかったところもあった。代わりに純也くんがやっていた中で、間違いなく救世主の働きをしていたので、今思えば理解はできます。あの当時はね、イライラしていましたけど(笑)。客観的に考えて自分に足りなかったものは、W杯前にはもう気付いていましたし、そこにしっかり向き合いながら準備できた」
アピールも大事。だが、チームの一員としての役割を改めて考え直し、W杯本大会、今年のアジア杯など戦ってきた。チーム作りから尽力して発言し、行動する。森保監督は6月シリーズでウイングバック起用した堂安について「『こんなうまい選手がこんなハードワークするんだ』ということをサッカー少年少女に見てもらえたら嬉しい」と“お手本”だと名指しした。前回の最終予選がスタートしたばかりの頃はまだ気づけていなかった堂安が成長を遂げたと認めていたからこそ今は絶大な信頼を寄せている。
「そういうところを評価してくれない監督、海外だとやっぱオン・ザ・ピッチの結果だけ評価するかともちろんいるんですけど、森保さんは、しっかり内面や人間性を見てくれる。選手としてはやっぱり嬉しい」
アジア杯では壁を痛感した。ベスト8に終わり、誰よりも悔しさを表現していたのが堂安だった。
「日本が圧倒的に優勝したいと思い理想はある中で、理想だけを求めたらああやって負けちゃう。泥臭くてもしっかりと1対1で勝ち切る、とか綺麗なサッカーで点を取らなくても、相手が前から来るのであればロングボールでもいいと思いますし、自分たちがやりたいことだけがすべてできるわけじゃない。最初の2戦取れたらデカい。勝ちにこだわりたい」
中国を率いるブランコ・イバンコビッチ監督は、前回日本が破れたオマーンを指揮していた。“策士”だけに十分に警戒する必要がある。だが、何よりも求めるのは結果。勝ち点3を追う日本の“気迫”を堂安が見せてくれるはずだ。
(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)