エースは最終予選に何を思う「W杯に出て得た自信なんかない」 上田綺世が積んだ世界での“2年”

日本代表の上田綺世【写真:徳原隆元】
日本代表の上田綺世【写真:徳原隆元】

日本代表の練習に上田綺世が初日から参加

 森保一監督率いる日本代表は9月2日、千葉県内で北中米ワールドカップ(W杯)アジア最終予選の初戦・中国戦(5日=埼玉)、敵地バーレーン戦(10日=リファー)に向けた練習をスタート。FW上田綺世は、エースとしての自覚を高めて最終予選に臨む。

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 いよいよ最終予選だ。上田は合流初日、室内調整で終了。オランダ1部フェイエノールトでのシーズンは始まったばかりで、日本や敵地バーレーンでの気候は「温度差とか湿度とかそういうところが僕にとっては難しい対象になるのかな」とコンディション調整を強いられる。それでもまず初戦の中国を倒すためには「相手はそんなに関係ない」と自分たちにフォーカスを当てて積み上げる。

 直近2大会では初戦でつまずいた。UAEとのロシアW杯最終予選の初戦を1-2、オマーンとのカタールW杯最終予選の初戦も0-1で黒星スタート。カタールW杯最終予選のエースは主にFW大迫勇也が務めており、上田はW杯切符を掴み取ったオーストラリア戦(2-0)で初めて最終予選のピッチに立った。その後、W杯本大会を経てこれまで中心として牽引してきた。エースとしての立場を確立させて臨む最終予選だ。

 だが、上田の視線はあくまでも自分。親善試合でも、W杯でも、マインドを変えることはなかった。

「最終予選だろうがどこだろうが多分フェイエノールトでも常にプロでもプロじゃなくても。どの試合もFWが決めれば、勝てると思うし、対策されるのも、最終予選に限ったことじゃないと思う。だから普段と同じ状態を作る。より早く良い準備をするってことが大事だし、大会とか相手うんぬんよりもやっぱり自分たちのことメンテナンスをしっかりすることが大事かなと思います」

 日の丸を背負って世界と戦う。最終予選を突破した先に見据えるのがW杯。その舞台を経験しても上田の中にあるのはその飽くなき向上心だ。

「僕は別にW杯に出て、得た自信なんかないしアジアカップが終わって得た自信も別にないし、ただ結果を残せなかった悔しさと、チームの目標値に届かなかったっていうことしか結局残らない」

 だからこそ、最終予選で自分の役割はゴールを取ってチームを勝たせることに尽きる。それが森保ジャパンでの立ち位置を引き上げることにもつながる。まずは初戦。直近2大会と同じ過ちは犯さぬように、万全で臨む。

(FOOTBALL ZONE編集部・小杉 舞 / Mai Kosugi)



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