浦和L監督「バルセロナ、リバプール、チェルシーに通用するか」 リーグ連覇から見据える世界
30日に新シーズン開幕へ向け記者会見を実施
三菱重工浦和レッズレディースは8月30日に新シーズン開幕へ向け記者会見を実施。3連覇を目指すWEリーグと、本大会が始まるAFC女子チャンピオンズリーグ(AWCL)などの戦いに向け、楠瀬直木監督は「連覇は後から付いてくるもの」としつつも、「このチームが歴史に名を刻んで、1人前としていくためにもアジアを取って世界で結果を」と先も見据えた。
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浦和は昨季をリーグ22試合で18勝3分け1敗の勝ち点57、なかでも55得点という1試合平均2.5得点の攻撃力を発揮して2連覇を果たした。また、AWCLのプレ大会でも優勝し、リーグとアジアの二冠を達成。今季はリーグ3連覇を軸にしたリーグカップと皇后杯を合わせた国内三冠と、AWCL本大会の初代女王を目指すシーズンになる。一方で、リーグ20得点したMF清家貴子の海外移籍や、昨季中に大きな負傷のあったMF猶本光やFW安藤梢も新シーズンの出遅れが見込まれる。
楠瀬監督は「結果的に2連覇でき、戦力が若返ったとか怪我人もあるが、このチームだから絶対に勝てないという相手もいないし、絶対に勝てるという相手もいない。その勝てないわけじゃないという部分を毎試合出して、1試合1試合に勝つことで自信もつく。とにかくしっかりトレーニングをして、連覇や優勝は後から付いてくるもの。まずは足元からやっていきたい」と話した。
今季も主将はMF柴田華絵が務め、副主将は猶本と昨季最多アシストのMF塩越柚歩が務める。柴田は「三冠、四冠を期待してもらっているが目の前の1試合、足元を見てしっかりやっていきたい。勝ちを積み重ねることで優勝までいければ。AWCLの本大会もあり、国内の相手ではないチームとやれるのも楽しみ。レッズレディースの強さや特徴を出し、名前を世界に広めていければ」と話した。
先日のキックオフカンファレンスにも出席したFW島田芽依は昨季9得点で、2桁ゴールや清家移籍後の得点源としての期待も大きい。「まだチームの顔になれているとは思っていないけど、チームのために走って点を取れるようになって、チームの中心になれるようにやっていきたい」と話した。
国際サッカー連盟(FIFA)は、女子クラブ・ワールドカップ(W杯)の創設を発表するなど女子サッカーがクラブレベルで世界とつながっていく過程がここ数シーズンに起こる。
楠瀬監督は「世界の中で通用するか、バルセロナ、リバプール、チェルシーにどれだけ通用するかチャレンジしたいし、そこで力を示さないといけない。リーグで躓いているようでは勝っていけない。このチームが歴史に名を刻んで、1人前としていくためにもアジアを取って世界で結果を出して注目を集めないと、また昔のように戻ってしまうという危機感がある。出て嬉しいではなく、取らないと。選手の頭の中の基準をそこに合わせたい」と、先を見据えて話していた。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)