日本とポーランドで「多くて1日2回」のリモート会議 池田暫定監督が新指揮官と進める“浦和改革”
「コミュニケーションを取って、骨組みや選手の使い方は毎日ミーティングしている」
浦和レッズの池田伸康暫定監督が29日、オンライン会見を実施し、来日前のマチェイ・スコルジャ新監督とすでに緊密なコミュニケーションをとっていると明かした。池田暫定監督はスコルジャ新監督就任までの指揮になるが、「毎日、多くて1日2回リモートでミーティングをする」と明らかにした。
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浦和は8月27日にペア・マティアス・ヘグモ監督の契約解除、スコルジャ新監督の就任を発表した。堀之内聖スポーツ・ダイレクター(SD)は、ヘグモ監督について「更迭」という表現を用いて、クラブの判断で行った監督交代であることを明かしていた。後任のスコルジャ新監督は昨季、浦和を率いて1シーズンで退任していた。約9か月ぶりの復帰となるが、ビザの発給と来日までの間はコーチを務めていた池田氏が暫定監督を務める。少なくとも、31日のFC町田ゼルビア戦までは指揮する見込みだ。
池田監督は現役時代に浦和でプレーし、ゴールパフォーマンスなど明るいキャラクターでも愛された。指導者としても主に浦和の下部組織でキャリアを積み、トップチームでもコーチを務めた。それだけに、町田戦で指揮を取ることをについて「浦和生まれ浦和育ちで、ずっと浦和で育ってサッカーを学び、選手として浦和でできて、指導者としても浦和でできてきた。これ以上の光栄なことはない。恩返しという言葉が正しいか分からないけど、恩返しする意味でもファン・サポーターに勝利を届けたい」と話している。
一方で、昨季にタッグを組んだスコルジャ新監督が来日するまでの暫定監督であることを念頭に「非常に細かく見て、戦術もされる方。試合までのトレーニング内容は本当に細かく必要なもの、現場で感じたものを伝えてほしいという要求がある。スコルジャ監督からこれをすべてやってほしいではなく、どちらかと言えば現場の肌感覚を重要視してくれている。一緒にやらせてもらっていたので、そこは分かるだろうという感じで言われることもある。現場の肌感覚とマチェイさんの求めるものを合わせるようにしていきたい」と話す。
そのスコルジャ新監督とはすでにチームマネジメントにおけるコミュニケーションを図っている。「毎日、多くて1日2回リモートでミーティングをする中で、彼もゲームを多く見ている。お互いにコミュニケーションを取って、骨組みや選手の使い方は毎日ミーティングしている」と池田暫定監督。バトンを良い形で渡すために、日本とポーランドの間で全力を尽くしている。
池田暫定監督は町田戦に向けて「まず大事なものは、町田がどういうサッカーをするか把握して分析し、選手に落とし込むこと。ただ、そこだけでは勝敗は決まらない。大事にしているのは戦う部分。町田のサッカーは非常にハードで当たりが強い。身を引くのではなく、それ以上のものが必要だろう。選手もそれを感じていると思う」として、まさに一戦必勝で勝ち点3だけを見て戦う考えを示した。
町田戦を終えると、インターナショナル・マッチデーのためにリーグ戦が中断する。ルヴァンカップで敗退している浦和は落ち着いてトレーニングを行う時間も取れる。来日スケジュールは未定だが、前向きなマインドで向かっていくためにも、町田戦の勝利を池田暫定監督からスコルジャ新監督へのバトンにしたいところだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)