岡崎が語った王者レスター迷走の理由 「楽して勝とうとしている」の言葉に込めた真意とは

昨季躍進を支えたラニエリの“温厚な管理術”

 けれども、確かにサッカーは前監督が創ったスタイルであったかもしれないが、昨季ラニエリがレスターに持ち込んだ“ムード”は奇跡の初優勝という快挙に大きく貢献したはずだ。

 鬼軍曹のような厳しいピアソンに頭から押さえつけられ、死ぬまで走れとばかりにプレスをかけ続けて、降格争いを勝ち抜いた。残り9試合の段階で結果は出した。しかし、そんな抑圧的な環境で長いシーズンを戦い抜けるものなのか。

 昨年夏にラニエリが監督に就任し、ベテランが多いレスターでは週休二日制が採用された。岡崎は「下積みを経験している選手が多いチームで、監督の人柄がみんなの自主性を呼び起こした」と語っていたが、それは想像に難くない。厳しい鬼のような親父がいなくなり、本人のやる気を尊重する老紳士がチームの長になった。これで選手たちの心に本来、また本当の意味でのやる気が芽生えた。

 無論勝ち続けたこともあったが、きつくて仕方がないプレスも、前向きな気持ちで自ら進んでやれた。昨年の今頃、アウェーのワトフォード戦を1-0で辛勝すると、ラニエリが「今、ウチの選手は全員、とにかくチームのために役に立ちたいという一心で試合に出ている」と語ったが、去年の快進撃にはそういうイタリア人監督の温厚な管理術が見事にはまった一面があった。

 そんな温和なイメージと、経験値の高いイタリア人老紳士のイメージで、ラニエリ人気は英国で最高潮に達し、イングランド中のニュートラルなサッカーファンがレスターの奇跡の優勝を後押しする現象も生まれた。

メッシ、C・ロナウド、ポグバら世界最高峰のプレーをチェック! スポナビライブでプレミア&リーガ全試合無料でライブ配信中【PR

 

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング