J1最下位も…5戦15ゴール反撃へ 元日本代表も経験…“ミシャサッカー”は「本当に特殊」【見解】

札幌のペトロヴィッチ監督【写真:徳原隆元】
札幌のペトロヴィッチ監督【写真:徳原隆元】

ミシャサッカー経験の関口訓充が語る難しさとは

 J1北海道コンサドーレ札幌は、ミシャことミハイロ・ペトロヴィッチ監督が率いて7年目を迎えた。開幕からつまずき、降格圏から抜け出せない札幌は、直近5戦で3勝1分1敗と上向き。過去にペトロヴィッチ監督の指導を受けた元日本代表の関口訓充が、“ミシャサッカー”浸透の難しさを例に今後の展望を語る。(取材・構成=FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也)

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 開幕から7戦を1分6敗と苦しんだ札幌。今シーズンはJ1リーグ第2節以降、19位と20位を彷徨っている。5月29日には、「クラブは、今シーズンの最後までミシャ監督と戦う決意をしました」と、指揮官の続投をクラブが発表する異例の事態に。ここまで28節を消化し依然最下位となっているが、最近では不安視されていた得点力に光が見え始めている。

 札幌は第23節まで、複数得点した試合が2試合のみだった。だが直近リーグ戦5試合すべて2点以上を奪う爆発を見せている。5試合の合計は15得点。失点も11と目立つ部分はあるが、白星を重ね19位のサガン鳥栖と勝ち点差2まで迫っている。

 浦和レッズ時代にペトロヴィッチ監督の指導を受けた経験のある関口は、「ミシャのサッカーは浸透に時間がかかる。慣れるまで機能しづらい」と経験を元に言及。札幌に怪我人が続出した影響にも触れつつ、夏の移籍市場で選手が多く入れ替わったことも1つの転機だと見ているようだ。

「ミシャのサッカーは本当に特殊。今シーズンは札幌も人が抜けたりして、ここまでのつまずきが起こったのかなと。難しい1年になっているが、徐々に怪我人も含めて復帰してきて、新しくやってきた選手たちがミシャのサッカーに慣れていければ、シーズン終盤に向けてチームが上昇していくのかなと思う」

 前線では元日本代表FW鈴木武蔵が復活の狼煙を上げ、直近5試合で3ゴール。夏に加入したFWアマドゥ・バカヨコ(1得点)、怪我から復帰のMFスパチョークも得点に絡んでおり、今後への期待も高まってきている。

 関口氏も「最後はもう本当にその個々の能力。決定機のところの局面で、決められるかどうかが重要になってくる」と、得点不足に悩んでいた札幌の復調のカギが“決定力”だと感じているようだ。第27節(サガン鳥栖戦/5-3)と第28節(ジュビロ磐田戦/2-0)で今季初の連勝を飾った札幌は、9月1日に14位の川崎フロンターレと対戦する。

(FOOTBALL ZONE編集部・金子拳也 / Kenya Kaneko)



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関口訓充

せきぐち・くにみつ/1985年12月26日生まれ、東京都出身。帝京高ー仙台ー浦和ーC大阪ー仙台ー南葛SC。J1通算225試合12得点、J2通算247試合20得点。日本代表として通算3キャップをマーク。2009年には仙台のJ2リーグ優勝と天皇杯ベスト4に貢献し、C大阪時代にはルヴァンカップと天皇杯優勝を経験。22年から在籍する南葛SCでは、23年シーズンにキャプテンも務めた。攻撃的なポジションを幅広くこなす万能型アタッカー。

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