「日本人スターの不満」を現地懸念…注目集める去就問題 ロッカールームへの“悪影響”
久保建英のセレブレーションは世界中で物議を呼んだ
スペイン1部レアル・ソシエダの日本代表MF久保建英は現地時間8月24日のラ・リーガ第2節エスパニョール戦(1-0)で途中出場し、切れ味鋭いドリブル突破から豪快なゴールでチームを勝利に導いた。ゴール後に笑顔を見せず、ゴールセレブレーションを見せた姿も話題も呼んだ。スペイン紙「AS」は「レアル・ソシエダはこの日本人スターに不満を抱かせないようにするのが賢明だ」として、久保の重要性を強調している。
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開幕戦のラージョ・バジェカーノ戦はスタメン出場をしていた久保だが、敵地でのエスパニョール戦ではベンチからのスタートに。しかし、0-0で迎えた後半22分にピッチに立つと、その13分後に右サイドからドリブルでDF2人を抜き去ってエリア内へ侵入。そして左足の強烈なシュートをゴール上段に突き刺した。これが決勝点となってソシエダは1-0で勝利。久保が鮮やかな個人技で白星を手繰り寄せた。
久保はゴール後、喜ぶチームメートを振り切るようにしてベンチの方へ走り、ユニフォームの名前を指して誇示するようなゴールセレブレーションを見せた。その顔に笑顔はなく、先発落ちに対する怒りを示しているようだった。
「AS」紙は久保のセレブレーションについて「交代出場への不満を表していた」とし、さらに同僚MFマルティン・スビメンディの「タケは自分が先発でないことを知った時に顔をしかめていたのを僕は見ていた。だが、彼は当然のようにピッチに出て、ゴールで僕ら全員を黙らせた」というコメントを伝えたうえで、久保が持つ影響力やベンチスタートの衝撃の大きさを伝えていた。
「(久保は)代役となったことへの怒りを、自身の正当性を示すための素晴らしいプレーへと変え、チュリ・ウルディン(白と青)に今季初勝利をもたらした。彼はラ・レアルでの驚異的な記録をさらに伸ばした。久保のゴールは歓喜を意味する。彼の得点はラ・レアルに15勝1分をもたらしている。これほどのポイントをもたらす日本人スターの不満を抱えさせるわけにはいかない。イマノル(・アルグアシル)監督はこの問題に対処し、ロッカールームに悪影響が及ばないようにする必要がある」
久保に対してはサウジアラビアのクラブからのオファーが届いていたほかにも、今夏にはイングランド1部リバプール移籍の噂が過熱するなど去就問題が注目を集めている。しかし、ソシエダにとって欠かせない選手であることをエスパニョール戦であらためて証明した。ユニフォームの売上などマーケティング面などピッチ外での貢献も大きいだけに、同紙は「レアル・ソシエダはこの日本人スターの久保が不満を抱かないようにするのが賢明だろう。あらゆる面において彼はクラブのプロジェクトに極めて重要な選手だ」と強調していた。
ベンチスタートから結果を残した久保。次節アラベス戦(現地時間8月28日)ではどのような起用をされるのだろうか。
(FOOTBALL ZONE編集部)