鹿島エースが苛立ち…V候補相手に「勝ってやろう」 会心プレーの裏で…“代役”の危機感
東京Vが鹿島撃破、4試合ぶり先発のDF綱島悠斗が攻守に奮闘
東京ヴェルディは8月25日のJ1第28節で鹿島アントラーズと対戦し、2-1で勝利した。4試合ぶりの先発出場を果たしたDF綱島悠斗は、攻守に渡った活躍を見せてチームの勝利に大きく貢献した。
【注目】白熱するJリーグ、一部の試合を無料ライブ配信! 簡単登録ですぐ視聴できる「DAZN Freemium」はここから
東京Vは鹿島からFW染野唯月、MF松村優太、DF林尚輝の3選手をレンタル移籍で加えている。レギュラーとして東京Vで試合に出ている彼らだが、契約の都合上、この試合には出場ができなかった。林に代わる形で先発した綱島は、「ヴェルディのなかにも良い選手がたくさんいますし、自分が結果を出さないとスタメン争いに食い込めていけないと思っていた」と、危機感を持ってピッチに立ったことを明かした。
この試合、綱島は鹿島のエースであるFW鈴木優磨に対応し、攻撃面ではFW山見大登の先制点につながるゴールをアシスト。ブロックがハンドを取られてPKを与える場面もあったが、最後まで身体を張った守備で優勝争いをしている鹿島の攻撃を最少失点に抑えた。
久しぶりの先発となったが「長い時間プレーさせていただいたら、自分はできるという自信もありました。ここ最近、点が取れなくて勝ち切れていない試合が続いていたので、まずはこの試合に出て結果を出して勝ってやろうというのは思っていました」と振り返る。
鈴木とのマッチアップについても「あそこが相手チームのキーだというのがスカウティングで入っていました。今日も、あそこを自由にしたら、今日の試合の流れも全く違うものになっていた。まずは相手に自由にやらせない。プレーでもそうですし、ずる賢くプレーしたつもりです」と、鈴木を苛立たせる場面もあったマッチアップについて振り返った。
相手エースに対応しながらも、攻撃のチャンスを探っていた。最終ラインからボールを運べることを「自分の武器の1つ」という188センチのセンターバックは、直近3試合ノーゴールだったチームで、それを示した。後半18分の場面、最終ラインからボールを持ちあがり、山見にパス。リターンパスを受けようとエリア内まで走ったが、ボールを受けた山見はそのまま右足を振り抜き、東京VのJ1通算800ゴール目を決めた。このプレーについて、「ああやってスペースがあって運んでいって1枚剥がせたら、少しずつズレていく」と綱島は言い、「自分が点を奪えたら良かったのですが、アシストという形になったので、それを受け入れようかなと思います」と、笑顔を見せた。
自らのハンドで与えたPKで1点差に…「改善できることがある」
山見が2点目を決めた東京Vは、終盤に押し込まれる形になった。そのなかで相手のミドルシュートをブロックした綱島は、ハンドも取られている。ボールは肩に当たったとも言えなくもない微妙な位置に当たったが、VAR判定の結果、ハンドと判定された。
一度はハンドにならないように手を背後で組みかけたが、それを解いてブロックしたことが影響したのかもしれないが、綱島は「身体が反応したというか。ハンドにならないように肩で行ったつもりですけれど、見え方によってはハンドかもしれないので。そこはその前のシーンを振り返り、自分が改善できることがあるかなと思います」と、そもそもシュートを打たせたことを反省した。
主力3人を欠きながらも、鹿島に勝てたことはチームにとっても大きな自信になるはず。フル出場して充実の表情を見せる綱島は、東京Vの最終ラインのポジション争いを激化させるはずだ。
(河合 拓 / Taku Kawai)