日本・欧州間の選手移籍に何を思う? J外国籍監督が主張「国レベルでの政策が必要」
浦和ヘグモ監督「多くの選手が海外のトップクラブに行くほうが望ましい」
浦和レッズのペア・マティアス・ヘグモ監督は、8月23日に行われたトレーニング後に定例のオンライン会見を実施。日本と欧州の間での選手移籍について、「国レベルでの政策が必要だと思う」と、Jリーグや日本サッカー協会(JFA)も関わることの必要性を話した。
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浦和は今季を前にDF明本考浩とDF荻原拓也が欧州に移籍し、今夏にはMF伊藤敦樹が同様に欧州移籍した。DF酒井宏樹やDFアレクサンダー・ショルツのように他地域へ移籍した選手もいるが、ヘグモ監督は「昨年のレギュラー11人のうち7人が移籍した」と言及。そして、「クラブとしてはいつでも、選手が移籍すればどのように補完するかを前もって準備するのが大事だと思う」とも話している。
ヘグモ監督は「Jリーグ、JFA、選手、代理人にとってもヨーロッパに行くのは1つの大事な出来事だと感じている」と理解を示す一方、国内クラブだけでなく、男女ノルウェー代表監督やサッカー協会の仕事なども歴任してきた経験から指揮官は、「近年になっても、かなり多くの若い選手がスカンジナビアからヨーロッパ中に移籍しているが、そこで出場機会のない選手もいる。選手の移籍に関してはクラブに関しても、代表も考えないといけない。その選手がどんな選手で、どんなクラブに行くかも議論しないといけない」と、移籍先選択に関して話す。
そのうえで、指揮官は「例えば私は代表監督もやったが、その時はできるだけ多くの選手が海外のトップクラブに行くほうが望ましいと思っていた。ノルウェーの協会でスポーツ・ダイレクターもしたが、その時は代表とクラブの両方にいい結果を出してほしいと思った。それはJリーグでも大事だろう。まずは安定した強いクラブを作ることが大事だと思う。それを作ると同時に、ベストプレーヤーにプレミアリーグやブンデスリーガでプレーしてもらうのも大事だろう。その両方を実行するには、国レベルでの政策が必要だと思う」と、国内クラブと代表の強化、欧州への移籍に関して全体像を見た議論や方針の策定が必要だという考えを話した。
昨季に浦和を率いたポーランド人監督のマチェイ・スコルジャ氏も、選手の欧州移籍の話題について「ポーランドにも同じ課題がある」と話していたように、5大リーグと呼ばれるような国を除けば世界中に共通の課題なのかもしれない。
特に近年、大量の選手が欧州移籍している状況について全体像の観点から議論することは、日本サッカーにとって重要なことだと言えそうだ。
(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)