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モイーズ解任の知られざる真相――“ファーガソン院政”を崩したマンチェスター・U経営陣のクーデター
英国内で報じられたクラブ内の権力闘争
しかし秘蔵っ子が記録的な成績不振で、無冠どころか欧州CL出場権まで逸してしまい、ついに解任に追い込まれた。
実は英国では、マンチェスター・U内での権力闘争に関する報道もあった。その構図は、不振のモイーズをかばうファーガソン前監督と、今季の低迷でスポンサーへの影響を不安視する現経営陣の対立というものだ。
例えばこんな話もある。今季もマンチェスター・Uは世界各地から多くの一流企業をスポンサーとして獲得したが、モイーズ監督はその発表会への出席を強要される度に、「ファーガソン前監督も同じように出席していたのか?」とたずねたという。
もちろん皇帝だったファーガソン前監督は、スポンサーへのご機嫌伺いともいえるこうした発表会に常に出席してはいなかった。モイーズに対する発表会への出席強要も、ファーガソン前監督が去り、新監督に対する影響力を高めようとした経営陣側の戦略のひとつだったという見方もできる。
このように今季のはじめから、これまで現場のファーガソン前監督が一手に握っていた全権を、スポンサー対応といったところから、経営陣側に分散させようとした動きはあったわけだ。
だから今回の解任劇には、ファーガソン前監督勇退を境に自らの発言権を強めようとした、マンチェスター・U経営陣幹部達のクーデターという側面もあるのではないだろうか。